AIエンジニア養成講座

Andrew Ngが会社をAI化するための方法についての記事を年末に送ってきたが,そこに社内でAIエンジニアを育成するには100時間以上の教育が必要だと書いていた.

外部の教育資源を使えば良いと書いていた気がするが,確かに英語なら豊富にあるが,日本語の資源は少ない.簡単な例題をコーディング(というか写経)しただけでは,本当に自分で問題解決のできるエンジニアは育たないのだ.

大学の演習では,例題とお手本のコードを示した後に,似た練習問題を幾つかつけて,自分の頭で考えて,自分の手でコーディングさせるようにしている.それを膨らませれば,100時間分くらいの資料が作れるかもしれない.

1. Python:これは必須だが,事前に自習で良いかもしれない.基礎演習では別の先生がpaizaを使って教えているが,paizaのビデオをいた程度だと自分で書けないと嘆いていた.重要な項目ごとに,実践的な練習問題を幾つか作っておくと良いだろう.たとえば,zipとか辞書内包などはよく使う.大学のPythonの講義は15回分(20時間以上!)かけているが,できるようになるのはほんの一部で,さらにクラスやジェネレータなどは,PyTorchなどを使うには必須だが,このあたりも全然教えていないようだ.

2. NumPy:深層(機械)学習のほとんどのソフトウェアがPythonから使えるが,ほぼ全部がNumPyをベースにしている.NumPyのbroadcastの概念などを理解していないと困るので,きちんと練習しておく必要がある.大学では2時間くらいかけている.

3. Pandas:データの読み込み,加工はPandasを使う.描画はmatplotlibやPlotlyで行うが,Pandas経由のことが多い.また,実務では時系列を扱うことが多いので,datetime indexの操作などの練習問題を念入りにする必要がある.10時間.

4. Scikit Learn:機械学習はこれで学ぶ.大学では浅いところを教えるだけで4時間くらいかけているので,全部するには10時間くらいいるかもしれない.

5. Fast.ai:深層学習はこれが簡単でよい.中身を理解するために,一から自分でコーディングをするのも(大学で教える場合には)良いが,実務で使う際には,コードは短い方が良い.英語の講義で36時間くらいあったような気がする.

ニーズがあれば,大学の演習用のJupyter Noteを拡張して公開しよう.

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