避難所データ

避難所の位置と人数を把握するのは,人道支援ロジスティクスの基本である.国土交通省が集めたデータ(無料)が

http://nlftp.mlit.go.jp/ksj/gml/datalist/KsjTmplt-P20.html

からダウンロードできるが,一時避難所(公園など)と避難施設(学校など)が混じっていて,不十分である.有償でより詳しい情報を販売している企業もあるが,国土交通省のデータに色づけした程度な割には,高額である.(大学で研究に使用する場合でも,民間企業に販売するのと同じ価格なようで,災害を商売にしているようで,ちょっと気分が悪い.)

実際に使用されている避難所がGoogle クライシスレスポンスやyahooのサイト

http://kumamotojishin.yahoo.co.jp/

で集められている.この情報はスナップショットであり,時系列的な変化を追うことができない.時間とともに避難所がどのように変化していくかを,居住地域の人口と災害の範囲・簿から推測できるシステムが必要になるだろう.

ちなみに国土交通省のデータベースには物流施設も入っている.災害の規模に応じて,どの物流施設を選択し,そこからどの避難所に配送をかけるのかを決定するかを,想定される様々な災害に対して準備しておく必要もある.

追記)東日本大震災の後に集積地点として使用可能な物流施設を公募して,数だけは揃えられたが,実際に使えるところは少ないと考えられる.倉庫として保管してあるモノがあると支援物資を保管することが難しいからだ.それを考慮するとスルー型の倉庫である宅配便業者の集配センターが条件を満たしていると考えられる.熊本地震のときもそうだったが,現在は公開されていない宅配便業者の集配センターを候補地とし,そこから近隣の避難所への配送経路をすべて事前に計算しておくことが望ましい.実際に地震が発生した後では,使用不能なっているセンターもあるだろうから,余裕をもってすべての候補からの経路を計算しておき,避難所のデータを書き込んだ厚紙を経路順にローロデックスボックスに(各配送センターに)保管しておくと良い.正しい避難所の位置(もしくは避難所になりうる地点)と規模,ならびに集配センターのデータを準備することが急務である(計算は我々のグループで容易にできる).

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