台風避難

2016/8/31に東北北海道へ上陸した台風によって多くの方が亡くなった.町長は「想定外」から始まる言い訳で,自分はマニュアル通りにやったので責任はないと主張していた.何故あんな場所(川の横)に老人ホームを作ったかという質問も出ていたが,答えは当然土地が安いからである.公共の金で建てる訳ではないので,当然経済原理がき,安い場所に施設を配置するになる.

問題なのは避難指示のための水位の閾値であり,これを決めた(というか決めるための基準を作った)のは,テレビで偉そうに意見を言っていた専門家たちである.

台風接近の前には結構時間があるので,避難を早めに行うというのが基本だと思うのだが,以前「日本人の一所懸命」で書いたように,自分の住んでいるところから離れることをいやがる人が多いことは事実である(特に今回犠牲になったお年寄りは).したがって避難勧告だけでなく,強制的に避難を行わせるというマニュアル作りと,それを実行に移すための手順(バスをチャーターして向かわせるとか)が必要になるだろう.

(追記)さらに言うと,避難を拒否する人たちに,ヘリなどを使って物資を供給するのはどうかと思う.ヘリの燃費は悪いので,その分は自己負担すべきであろう.自分は避難したくないが,物資は無料で送ってもらえる権利があるということを民主主義は保証していない.

余談だが,ネットの情報を使って災害支援をしたらどうかという意見をしている方がいるようだが,熊本地震のときを例にしてネット前提で話をするのは危険だ.今回の台風では,以下記事のようにネットが切断されていたからだ.

(yahooニュースから)台風10号の影響による送電設備の故障や停電のため、北海道、東北地域で発生した携帯電話の通信障害は、31日午後7時現在、一部で回復したものの、北海道と岩手県の一部地域で大手3社の携帯電話がつながらないか、つながりにくい状況が続いている。

もう1つ余談だが,9/1は防災の日らしい.東日本大震災以降,「防災」(disaster prevention)というのは無理だから「減災」(mitigation) という方が良いとなったはずなのだが,世間ではいまだに防災らしい.

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