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キリスト教における「愛」とは?

愛は愛であるという言葉は、LGBTQ+コミュニティと活動家たちがよく使うスローガンです。この言葉は、愛の自由と平等性を主張するとともに、愛の対象や表現方法に関係なく、すべての愛が等しく有効で価値があるという考え方を表しています。しかし、この言葉は聖書の教えと矛盾する部分があります。聖書における愛の観念は、C・S・ルイスの『4つの愛』に基づいて、愛情(ストルゲ)、友情(フィリア)、恋愛(エロス)、慈愛(アガペー)の4種類に分けられます。これらの愛はそれぞれ異なる性質や目的を持ち

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    • 不確定性原理

      不確定性原理は、物理学者ヴェルナー・ハイゼンベルクによって1927年に提唱された量子力学の基本原則の一つです。この原理は、特に量子レベルでの粒子の性質を記述する際に重要で、粒子の位置と運動量(速度と質量の積)を同時に正確に知ることが不可能であることを示しています。これは、粒子の挙動が根本的に確率的であり、古典物理学における確定的な法則では完全には説明できないことを意味します。

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      • 「毒矢のたとえ」

        「毒矢のたとえ」は、仏教における重要な教えの一つで、釈迦(ブッダ)が語ったとされる教えです。このたとえ話は、仏教の実践的な側面を強調し、無駄な哲学的な議論や空論を避け、実生活での苦しみを解決することの重要性を教えています。 具体的な話は次のように進みます。ある男が毒を塗った矢によって撃たれます。しかし、その男は矢を抜く前に、矢がどこから飛んできたのか、何で作られているのか、誰が撃ったのか、どのような毒が使われているのかなど、様々な質問をし始めます。ブッダは、このような質問は

        • 不完全性定理とは何か?

          不完全性定理は、オーストリアの数学者クルト・ゲーデルによって1931年に提唱された、数学の基礎に関する重要な定理です。この定理は、数学の体系が内部的に矛盾がない(無矛盾)である限り、その体系内で証明も反証もできない命題が存在することを示しています。言い換えると、十分に複雑な算術体系では、その体系内で証明も否定もできない真の命題が必ず存在するということです。

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          空(仏教の概念)とは何か?

          「空」は仏教の中心的な概念の一つで、サンスクリット語の「シューニャタ」に由来します。この概念は、すべての存在が本質的には独立していないという考えを表しています。つまり、何ものも自己完結した、独立した「実体」としては存在しないということです。この概念は、仏教の中で特にマハヤナ仏教において重要視されます。 空の概念を理解するための一つの具体例は、「縁起」です。縁起とは、あらゆる現象や存在が他のものとの関係性によって生じていることを意味します。たとえば、木は土、水、太陽光、空気と

          空(仏教の概念)とは何か?

          ナーガルジュナと「中観」

          2世紀頃のインドで活躍した論理学者ナーガルジュナは、「空」と「縁起」の思想を同時化することによって、独自の仏教観を打ち立てました。それが「中観」と呼ばれる思想です。 ナーガルジュナ以前の仏教思想は、個我や実体的な存在を認める傾向にありました。しかし、ナーガルジュナはそうした実体視を批判し、すべてが「空」であることを主張しました。「空」とは存在の無自性を意味し、どんな存在も固定的な本質をもたないということです。 ナーガルジュナは、この「空」の思想を「縁起」という概念と組

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