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プロセスワーク創始者アーノルド&エイミー・ミンデルに学ぶ「対立の心理学」

私の心理学への興味


私は小さな頃から「人の気持ち・感情・空気」に敏感だった。
その対象は、社会人になってから「心理学」「社会学」「行動経済学」への興味に繋がっていった。
それでも先に、ビジネスパーソンとしては「経営学」に興味があり2008年ビジネススクールに行ったが、その後、2010年からポジティブ心理学を学び始め、2018年からプロセス指向心理学(プロセスワーク)を学び実践している。私は学問として知識を深めるよりも、人の生き方・行動に興味があるので、ポジティブ心理学もプロセス指向心理学のような応用的かつ実践的な心理学のほうが関心が高いのだろう。


私がプロセスワークについて学び始めたきっかけ
こちらのnoteから。

プロセスワーク創始者のセミナーに参加して

2021年10月9日、幸運なことに、プロセス指向心理学(プロセスワーク)創始者のアーノルド&エイミー・ミンデル博士夫妻のセミナーがあり、参加した。セミナーについての詳細は、主催者であるバランスト・グロース・コンサルティングHPに記載がある。こちらから。このnoteでは、セミナーに参加した自分の気づき・感想をメモしておく。

今回のセミナーは、タイトルに「『Sitting in the Fire(紛争の心理学)』復刊記念」とあるように、1995年に執筆されたミンデル博士の名著「Sitting in the Fire」に基づいたセミナーだった。本書は1995年に出版され、プロセスワークのなかでも、人と人、集団と集団の対立を扱う「ワールドワーク」の理論と実践法を紹介した。日本では、全16章のうち10章のみ抄訳され2001年に「紛争の心理学」として出版されたがその後絶版。2021年秋、16章すべてを翻訳した完全版の『対立の心理学(仮題)』として、英治出版より復刊する。
2001年から20年の時を経て、2021年に復刊する、このことにも私は自分の中では世の中の大きな流れと必然性を感じている。20年の間、世界中の民族紛争は激化し、世界中が100年に一度といわれるパンデミックの渦中にいる。そして「風の時代」とも言われ、明らかに、「地球ー世界ー社会ー組織ー個人」の構造が変わっているように思える。


Sitting in the Fire(火の中に座る)


プロセスワークのファシリテーターやコーチは、目に見えている現象での問題解決ではなく、その下にある人間の感情やエネルギーにも意識を向けて、その場(そこにいる人たちで作られる雰囲気・風土)をテーマにする。その中でも、特に、ワールドワークは集団の紛争対立を扱う。そこに参加する人たちは過去の何世代も前からの感情を人生の一部として生きている人たち。その感情・歴史・文化、すべてを表に出して対立の中に入っていく=火の中に座る。

セミナーでは、ミンデル博士夫妻が、オンライン越しでも分かるような、温かい場を作ってくれていた。参加者の中には私のようにビジネス側の実務家もいれば、本当に民族紛争のファシリテーターをしている人もいた。ミンデル夫妻が、性別をテーマにしたワールドワークの一例のデモンストレーションをしてくれた。女性、男性という性別があることで感じる自分の中のモヤモヤとした感情に一つ一つ向き合い、対話の中から解決策を見つけていく。デモンストレーションを見て感じたことは、改めて「対話」の重要性だった。自分が普段していることは「会話」であって「対話」ではない。「対話」とは本当に深いものである。

プロセスワークのファシリテーターやコーチであり続けることの意味

なぜ、私がこのプロセスワークのファシリテーターやコーチであることを学び実践し続けているか、というと、「常に自分自身の在り方(Being)が問われるから」だと考えている。それは自分自身を、目の前にいる人を、組織を、社会を、明るい未来が創れる、と信じること、にもつながるから。

「人間関係や集団における力の問題を探究するには、ファシリテーターは未知なるものに従わなければならない。プロセスがどこへ導くかは決して予測することができない。未知なるものに従うことが、持続するコミュニティを育む。(紛争の心理学 第4章)」

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