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<DPA楽器用ピックアップマイクの使い方>

音楽教室の生徒さん用に、管楽器用ピックアップマイクの使い方をまとめます。使用しているのは、DPAのCore4099シリーズのコンデンサーマイクを前提に説明します。

2021.7月現在でも、最高峰のピックアップマイクになるでしょう。軽量かつ、余計な装飾がない”楽器そのものの音”を拡声してくれる秀逸な道具です。まずは、下記の項目から。

1.必要な最低限の知識
2.場所別の使い方
3.メンテナンスとあるとよいもの

について順を追って、まとめます

1.必要な最低限の知識

マイクには大まかに分けて、2種類あります。【ダイナミックマイク】と【コンデンサーマイク】です。今手元にあるDPAのCore4099はコンデンサーマイクになります。コンデンサーマイクは、ファンタム電源と呼ばれる電源供給がないと稼働しません。

ダイナミックマイクの定番であるSHURE SM58はケーブルを接続すれば音が鳴る状態になります。

2.場所別の使い方

A) ライブハウスで使う場合

事前にマイクの持ち込みがあることを伝えます。

Sax用マイクにピックアップマイク持込有り
ファンタム電源必要

という内容でもよいでしょう。

サウンドチェックの時に、音響スタッフの方へ「ファンタム有りでお願いします」と言えば伝わります。

撤収時には、音響スタッフの方へ「サックスマイク、抜きますー!」と声がけをして、OKをいただいてから抜きましょう。詳しくは次項。


B) リハーサルスタジオで使う場合

自分のマイク機器類を接続して、退出時には片付けねばなりません。もちろん、ライブハウスでの使用時も同じですが、こちらで正しい接続方法を確認しておきましょう。

1.ミキサーのMaster Volumeを完全に下げる

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2.Gainつまみも一番左に回して0にする

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3.接続先のフェーダーを下げる

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4.マイクとケーブルを接続して、ミキサーの入力端子に接続する

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5.ミキサーのファンタムスイッチを押す(これでマイクに電源が供給される)

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6.ミキサーのMaster Volumeを0に合わせる

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7.マイクを接続したチャンネルのGainを、時計で言う10-12時の間ぐらいにする
8.楽器を鳴らしながら、フェーダーボリュームを上げていき、適切な音量で止める
9.Peakメーターがついている(赤く光っている)ようだと、過大入力なので下げること(音割れの原因)
10.必要に応じて、EQやリバーブを調整する(ここは割愛する)

以上です。

次に最も大切な片付け方です。この項目も間違えるとスピーカーが壊れるか、自分の耳やマイクが壊れます。

1.ミキサーすべてのGain,フェーダー、Master Volumeを下げます
2.ミキサーのファンタムスイッチをOFFにします

3.この時点でもマイクの内部に電力が残っていますので10-20秒ほど待ちます
4.十分な時間待ってから、マイクをケーブルから外します

以上です。慣れればシンプルなものなので、しっかり覚えて取り扱いましょう。

C) 宅録の場合

PCやMac、iPadにつなぐオーディオインターフェースがあれば、デモ演奏の録音に使用できます。その際も、接続の順序には気をつけないと機器の故障を招きます。

・オーディオインターフェースのMaster Volumeを下げる
・MIC入力トラックのボリュームを0にする
・MICとケーブルをオーディオインターフェースに接続する
・48Vと書いてあるファンタムスイッチを押す
・Master Volume→MIC入力のボリュームの順に適切なところまであげる
・楽器を吹いて、ピークメーターに触れないところで微調整する

3.メンテナンスとあるとよいもの

マイクは、湿度を嫌います。高温多湿な場所に放置しっぱなしはよくありません。使用しない時は、ケースに収納して、できれば乾燥剤などを入れておくのもよいでしょう。

DPAのマイクが優秀なのは、部品交換ができることです。自分自身が過去に使用してきたメーカーの楽器用ピックアップマイクは、使い方にもよりますが通常3−4年もすれば断線しています。修理は個人では難しいので、消耗品という形で買い替えが必要になります。

DPAの場合は、ケーブルの断線であれば交換ができます。


僕は、マイクケースの中に予備として入れています。いつ、どこで断線するかもわかりませんので必要です。約4,000円でマイクの買い替えをしなくていいので、長期的に見ればマイク本体の価格は高くないと言えます。

また様々な楽器用のクリップタイプがあるので、将来的にサックス以外に使用したい時は、アタッチメントの購入で対応できます。

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【ワイヤレス化】

ワイヤレスシステムも安価に導入しやすくなりました。ケーブルレスの状態で演奏ができるのは、ストレスが少ないので将来的にワイヤレスシステムにDPAのマイクを使用するという拡張性があります。

一方で、ワイヤレスシステムが使用できない現場もあります。その時は、付属のコネクタで有線接続すればよいだけです。(DAD6001)

ちなみに林が使用しているワイヤレスシステムはSHUREです。

こちらに、DPAの変換コネクタ(上記のShureのシステムに対応するタイプ)を接続します。

Shure以外のワイヤレスシステムへの対応リストはこちら

ワイヤレス変換アダプターからファンタム電源供給はされるので、この記事の冒頭にあるような流れを踏まえなくても、スムーズに接続することができますが、まずは有線接続することを基本の基として、活用していくことが最優先でしょう。

以上、楽器用ピックアップマイクの使い方と拡張性でした。



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