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#翻訳 Docker創業者の退任ブログ

ソフトウェア界隈の方で、Dockerを聞いたことがないという方はいないと思います。私も利用していました。
開発したソフトウェアを第三者が使えるようにするためには、本来であれば開発した状況とそろえて、色々な準備が必要です。Dockerは開発したコードをそのまま固めて、どんな環境でも簡単に実行できるようにし、めちゃめちゃ準備を楽にしてくれます。無料で使えて、世界中の開発者たちを助けているツールです。

そんなDockerの創業者が、去年3月にCTOを退任している際のブログです。
創業者としてこんな気持ちになれるのは幸運でしかない、と少し切なく前向きに記されています。

原文:https://blog.docker.com/2018/03/au-revoir/

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AU REVOIR (訳注:フランス語でさようならの意)

本日、私はDocker社を離れることをお知らせします。Docker社は私が10年前に立ち上げを手伝い、以来構築し続けてきました。
創業者の退任は普通ドラマチックなイベントだと思われます。残念ながら、今回については現実は全くエキサイティングではないということをご報告しなくてはなりません。
私はDockerで何年にもわたり様々な役割を担ってきて、そして今日私は最後の新しい役割を持ちました――経営陣として、主要株主として、そして自分で推測するに、かなり世話の焼けるDcokerユーザーとして。しかし私は日々のオペレーションはもう担いません。その代わり、何年にもわたって自分自身のアイディアに固執した後、私は他ひとのために時間を使う楽しさを再発見しているところです――私の友人、家族、幸運にも何年にもわたり助言と投資をしてくれた頭のきれる起業家たちのために。これからの月、私はとにかくできる方法で、自分の経験で彼らを手伝うことを予定しています。

この過渡期は単に変化、成長、ハードワーク、そしてたくさんの幸運にまつわる長い物語の中で、章が変わったにすぎません。

10年前、私は仕事を辞め、母親と暮らすためにパリに戻り、そして友人のKamel Founadi と Sebastien Pahl と共にDotcloudという会社を始めました。私たちのゴールは、コンテナと呼ばれる不明瞭な技術を整備し、そしてそれを私たちがいうところの”大きなイノベーションのためのツール”、つまり誰でも使えるプログラミングツール、を作るために使うことでした。私は24歳で何をしているのかわからなかった。私たちにはCEOが必要になり、ゆえに私の新しい役割になりました。

5年前、DotcloudはDockerとして、百戦錬磨の5人のコアとなる人物に再投資しました。Eric Bardin, Sam Alba, Jerome Petazzoni, Julien Barbier,そして私です。すぐに成長はけた外れになり、これを持続可能なものにするために熟練のCEOを雇いました。私は29歳で自分のパートを熱烈にやりたかった。DockerはCTOが必要だったので、それが私の新しい役割になりました。

今日、私は34歳になり、Dockerは、我らのCEO、レジェンドSteve Slignのリーダーシップのもと、静かに、爆発的な利用料成長と、数百万人もの開発者コミュニティを伴うエンタープライズビジネスに変貌を遂げました。私たちの戦略はシンプルです。世界中の全ての大企業は彼らのアプリケーションとインフラをクラウドへ移行する準備をしています、一斉に。それらを、高価格なコードや業務変更することなく、そして一環境でしか動かないかクラウドかに縛られることもなく、実現性高くセキュアに実施するソリューションが必要です。そして現在、それらの要件を満たす唯一のソリューションはDocker エンタープライズエディションなのです。これに載ることがDockerを大成長へ導く核となります。この機会を利用するために、私たちはスティーブのそばに、何十年も世界中の大企業向けにソフトウェアを出荷しサポートしてきたCTOが必要です。だから私には今、新しい役割があります。その理想的なCTOを探す手伝いをし、時おりちょっとしたアドバイスをし、彼らがビジネスの不可抗力を構築し続けるためのチームの道を脱出することです。株主として、この命を担う以上に喜ばしいことはないでしょう。

創業者としては、もちろん、色々な感情があります。あなたが会社を作るとすると、あなたの仕事は、いつかは自分抜きでも成功できるということをはっきりさせることです。そして最終的にはそのいつかが来て、ほろ苦くお祝いするのです。

創業者にとって、生涯をかけた仕事と袂を分かつのは、決して簡単ではありません。しかし私は、この問題を抱えられることが、いかに信じられないくらい幸運か分かっています。ほとんどのアイディアは、一度も実現化しないものです。ほとんどのソフトウェアは利用されなくなります。ほとんどのビジネスは最初の年に失敗します。しかし、私たちはまだここにいて、これまでに作られた中で最大のオープンソースコミュニティの1つになり、世界中の何百万ものコンピューター上で走るソフトウェアをまとめてビルドしています。自分の仕事が有意義だったと、そして活気あるコミュニティがその上に構築され続けるということを知るために…これ以上何か尋ねられる創業者がいるでしょうか?

私は心の底からDockerのすべてのメンバーとコミュニティに、過去そして現在まで、今のDockerを作ってくれたことに感謝しています。この創業者のほろ苦い瞬間は、ほぼ甘い思い出です。私たちは一緒に素晴らしいものを積み上げてきました。あなたが次にやることを見るのを楽しみにしています。

ハッピーハッキング,
ソロモン