見出し画像

笑う女 ・・完結編・・<後編>

こんにちわ。美人眉クリエイター大平美樹です。

東京は雨模様。。朝から雨だと何となくだるいですね。さっき少し寝てしまいました。だからちょっとスッキリ!!頑張って「笑う女・完結編<後編>」行ってみよー!


<これまでのあらすじ>

ロシア系クウォーターの私は37歳にしてシングルマザーとなり、シュウウエムラのメイク講師のキャリアを捨てて金融系システムエンジニアに転身。開発業務は激務だったが、全集中する事により抱えていた問題を忘れる事が出来た。笑わないだけでなく集中するあまり「顔が怖くて怒ってる」と見られるように。そうして開発者としてのキャリアを積んでいき、次のステージ「営業部」への移動を申し出たが・・・


「営業スマイル」と「笑う」は違うなと思います。

「笑う」って仕事でないし、自然に心の底から湧き上がってくる事だと思います。昔マックでバイトしてた頃、メニュー表の一番下に「smile ¥0」と表記されていました。またふざけた若いお客様なんかはカウンターに私がいると「ご注文お決まりですか?」「スマイル下さーい」「ニコ(笑う)」なんて事がありましたが。マックあるあるですね。

営業部では仕事を円滑に進める為に「笑顔」が必要不可欠だと叩き込まれました。とにかく笑え!目が笑ってなくても口角を上げろ!私は生まれて初めて笑顔の練習をしました。43歳にして。あんなに苦手だった笑顔、でも仕事だからやるしかないと私は鏡に向かって笑い続けました。

そしたら不思議な事が起こりました。

「美樹さんがニコって笑うと、なんか契約しちゃうんだよねー」営業先のお客様に言わた事がありました。ん?私の笑顔?俄には信じられませんでしたが、同じ事を色々なお客様から言われるようになりました。私が「営業スマイル」を習得した瞬間でした。イヤイヤ始めた事にせよ「笑顔になると人は喜んでくれる」という小さな成功体験でした。

仕事では(お客様先では)笑顔で対応出来るようになりましたが、一旦離れるとすぐ「笑わない女」に。。本当の私と周りが思う私のイメージとのギャップがまだ埋められずにもがいていました。苦しくて苦しくて・・システムエイジニア時代に救ってくれた「仕事」は、もう救ってはくれませんでした。毎日飲み歩き「お酒」に救いを求めるようになっていました。。

気持ちはどんどんやさぐれて「もうこの世の中に私の事をわかってくれる人なんていない」人生を半ば諦めて投げやりでした。

開発業務は成果物があって「作り上げた達成感」が半端なかったですが、営業は数字として現れて「お給料」として手元に戻ってきます。お金は嬉しいんですが、私は虚しかった、達成感がなかったんですね。大きな歯車の一つでしかないちっぽけな自分・・外見と内面のギャップですら埋まっていない自分・・心と体がバラバラで、毎日私は飲むしか方法を知りませんでした。

息子はお陰様ですくすく育ってくれて、唯一私の救いでした。無事大学生になり、20歳を迎え「お母さん」業はひと段落になったところ、私は自分の気持ちを立て直す為に「メイクアップ講師」を再開する事にしました。

サラリーマンとしての限界・・定年までのロードマップが見えてしまったんですね。とても辛かったです。私が私として生きていくために何が出来るか考えた末の事でした。直ぐに早期退職・・ではなくあくまでサラリーマンがメインで「メイク」は副業と言う位置付け。当初は友人や知り合いを数人集めてメイクレッスンを開催していました。

「わー!」メイクの生徒さんがレッスン中に自分の顔が変わると、いきなり!最高の溢れんばかりの笑顔になる姿を見て純粋に嬉しかったです。

「笑顔っていいな。素敵だな」心から感動する私がいました。

心と体、内面と外面のギャップ・・果てしなく埋まらない溝だと思っていたけれど、もしかしたらもう少しづつ埋まってきているのかも。

そんな時に、彼に出会いました。   今の夫です。

彼は私より11歳も年下で、物静かで穏やかな人で、やさぐれていた中年サラリーマンだった私の話をよく聞いて、一緒にお酒も飲んでくれました。仕事の事、息子の事、メイクの事・・私が一方的に話してばかりいたような気がしますが、うんうんと聞き役に徹してくれました。彼との時間は初めて味わう心地良さでした。ある時サイコーに落ち込んで涙ぐみながら話す私に、彼はこう言いました。


「とりあえず笑ったら?子供みたいな顔して笑うじゃんいつも」


なんて優しい言葉なんだろう・・私は笑うどころか、ワンワン泣いてしまいました。初めて本当の私を見てくれた人でした。


その後私達は結婚します。自分の事をわかってくれる人がいると言う事実が、こんなにも幸せな気持ちにしてくれるんだと初めて噛み締めました。     でも笑顔はまだこわばって外では上手く笑えない・・やっと幸せになったんだから今度こそ心から笑顔になれるはず!私は自分の顔を徹底的に研究し、自分史上一番の「笑顔」が出来るように訓練しました。そしてその訓練の成果物を毎日SNSへ投稿するようになり。。。結果は、もう皆さんお分かりですよね。こうして皆さんに大平美樹を知って頂き、ブログを読んで頂いている。とっても感謝しています。


今私は自信を持って「私のチャームポイントは『笑顔』です」と言えます。笑顔の素晴らしさを夫から教わり、笑顔の美しさをメイクレッスンの生徒さんが教えてくれました。56歳を迎えやっと「内面と外面のギャップ」を埋める事が出来、自分の外面の良さも客観的に理解出来るようになりました。56年かかりましたが。

だから私は「笑う女」なのです😀

<完>





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?