自営5年目にしてようやく定まってきたこと

 組織を離れて、ももちゃんとふたりで店をやるようになって、1番困ったことは、時間の使い方だった。会社や市役所の中にいるときは、就業時間中に、やれる範囲でやれば良かった。おわらないものは、同僚や先輩にヘルプを出し、先送りにしてもいいものは時間のある時にやる。それだけでよかった。

 自分でやると決めてから、やることの膨大さにくらくらした。目先のお金、予定も大事。ただそれだけじゃなくて、来年、再来年、もっと先のことを見た動きもないと、おそらく泥舟のようにズブズブ沈んでいくような気がした。

 娘が産まれてから、余計に難しくなった。妊娠前は、とりあえず徹夜しまくるという技が使えた。頻繁には無理だけれど、ある1週間はほとんどの時間を作業や考え事に費やす。それでなんとかやってきたが、娘が産まれてからは、そうもいかない。彼女の起きる6時半には一緒に起きて朝ごはんをつくる。保育園の準備をし、送っていって、夕方また迎えたらお夕飯を作り、遊び、お風呂に入り、寝かしつける。それは優先順位不動のNo. 1で、そこを動かすことはできない。流動しない、限られた時間の中で、どう動いていくのかを模索した。

 そして未来のことと同時に、わたしは今を掴まえたかった。どうすれば、今を掴まえられるのか、わからなかった。悩んだ数だけ家には書き始めてはすすまないノートが増えた。ノートとペンはわたしのおまもりで、わたしのこれまでで、わたしのこれからだった。

 今年から、手帳の使い方をがらりと変えた。スケジュールとタスク管理はスマホのカレンダーとGoogleキープで行う。紙の手帳は2冊ある。まず大きなA4の2年分のスケジュール帳に、今月やりたいこと、やらないといけないこと、数値的目標を落とす。もっと先の目標ややるべきことは巻末のフリースペースに書く。A5の手帳には、目標やその日やる予定のタスクは書かない。その日の夜に、もしくは翌日に、やったことを時間毎に書く。会った人、話したことも書く。売上や経費や体重、食べたものも書く。あった、その事実だけを書く。それだけだ。(考えたことは、スマホのメモ帳にどんどん書く。)

 事実を書くだけ、その効用はでかい。なぜこれがでかいのか、よくわからないけれど、今のところ無理なく楽しくそしてよく働けている。これがなぜなのか、今はまだよくわからない。

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