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涙の理由

イベントで出逢って、意気投合した大学1年生の女の子。
その子とカフェに行って、話してたときの物語。


「みきちゃんは、自分の居場所ってどんなところにある?」

その子は、将来「自分の居場所がない」と感じている子に向けてサードプレイスとなるようなカフェを開きたいらしい。
私のやりたいことと一緒だ。
そして、彼女は、自分自身の『居場所』もほしいと思っている。
悩みを打ち明けたり、なんでも話せる仲間がほしいと言っていた。

「うーん、大学以外でやってるところのコミュニティかな。」と私が答える。

「それって、高校生のときからあったの?」

「ううん、私は、大学1年生の冬から。」

「そうなんだ!そのコミュニティと出逢う前はどんな子だったの?今、みたいに活発的に活動とかしてた?」とその子が質問してくれた。

「全然だよ。私はね、高校生のときは、引っ込み思案で、自分の軸なんかなくて。いつも友達と遊びに行くときも『どこでもいいよ』って答えてたタイプの子。」

「ええ、意外かも。」びっくりした表情。

「私の家は、親が過保護で、小さいときからあんまり褒められた経験とかなかったから、高校生とか大1は家以外になんでも話せて、相談できる人がほしかった記憶あるな。」

そう言うと、その子は「うんうん」とうなずきながらきいてくれた。
そのまま私が続ける。

「私、たぶんあのとき辛かったんだと思う。誰にも、言えなくて。
家庭はめちゃめちゃだし。自分でどうにかしなきゃって。すごく辛かったからこそ、同じ立場で悩んでる子の力になりたいんだよね。
私も、ある人に救ってもらったから。今度は、私が『今の自分から変わりたい』『居場所を見つけたい』って思ってる子に寄り添えるそんな人間になりたいんだ。」

そして、私は続けた。

「だから、あなたにも寄り添いたいなって思ってるよ。私が、できることは少ないかもしれない。けれど、少しだけ痛みがわかる気がするから。
頑張ってるよね。」

そう言った瞬間、彼女の目には涙が浮かんでいた。

「泣かないで~」と私。

その涙をみた瞬間、私の言葉が届いたんだと思った。
それと同時に。私のやりたいことってこれなのかなとも思った。


カフェに行った帰り道。
私は、その子から
「会ったときから思ってたけど、みきちゃんってかっこいいよね。」
と言われた。

個人的には、紆余曲折あった人生(20年生きてきて)だから、
素直に受け取っていいのかわからなかったが、
その子と最初会ったときよりも、帰り際の表情が明るくなっていたのでこれでよかったのかなと。

私は、自分の話をしたときに、彼女の涙の理由については、何もきかなかった。
いつか話してくれるときまで。
彼女の心の扉が開くまでじっくり待とうと思う。


私の言葉や行動が、誰かの原動力や変わるきっかけであったらいいな。
そんなことを思いながら、家に帰宅。



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