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チャンスの話

今、実は漫画を作るチームを運営したい人たちにはチャンスなタイミングかもしれないという話。


長くなりますが、ご興味ある方はお付き合いください。


漫画業界は今、アシスタントがいない。



この「アシスタントがいない」というのは少々要約し過ぎで、「新しく来てくれる、信用できて仕事ができるアシスタントがいない」かなと思います。

アシスタントマッチングサイトを見ても、アシスタントしたい人はいます。

しかしながら、クオリティと人間性においてかなりリスキーな事があるというのが正直なところ…(実際募集で来たいろんな話を聞いているので)

ではなぜある程度腕と信用のあるアシスタントいなくなったか、というと、大雑把に言えば既に雇用条件の良いところに囲われてるのと、新たに見つからないのはアシスタントに希望がないから。

漫画家さんは売れれば有名な漫画家になれますが、アシスタントは新人漫画家さんのところに行く場合、そもそも資金的な面でキャリアのあるアシスタントは力量に見合った金額をいただくのが難しく、有名な漫画家さんのとこで働いてたとしても給料が良いとは限らないので、キャリアアップの可能性がそもそも細い。

アシスタントが給与が少ない、という話を持ち出すと「じゃあ漫画家になれば良いだろう」と言われるのが常套句。
アシスタントは漫画家志望でもある場合が多いのでなんとなく間違ってない気はするけど、実際にはアシスタントとしての報酬が少ないことに対する解決策では無いので論点が違う。

あと、それ実行されまくると結局アシスタント減るよね…?

だけどもアシ側もその辺の抵抗をしてこなかったし、そうではないという考えまで至ってなかったりというのもあり…そういうわけでなんやかんやアシスタントで生きていこうと思った場合に将来に可能性があまりに無い。

基本描いた背景は買取(日給など)、漫画が売れようが、労働の対価と別に+報酬がある事はほぼないしそもそも業界的にどうか、でなく労働に対する対価として十分かと言われると疑問なところもある。

というわけで、ある程度腕があると言う事は、業界にある程度いたという事なので、そんなことを体験していくとアシスタントは辞めよう、入る日数減らそう、になっていく。

では冒頭のチャンスの話。


現状を簡単に要約すると

アシスタントとして能力もあり信用もできる人材はいるが業界に留める力がない。


みたいな感じ。

なので本題ですが、逆にいうと妥当な報酬と昇進や成果報酬を確保してくれれば、漫画チームを組むのは可能かもしれません。

アシスタントは漫画家になろうとしていた人が多いので、漫画自体描ける人は多く、ストーリー作れる人もいます。
作れなくとも作画はできるので、原作さえ連れてくれば漫画は作れる。(それでなろう系に作画要員として持ってかれてアシスタント減ってる説も…)そして最近だと割と自分の名前で漫画家としてやりたい、という人ばかりでなく、チームとしてやりたい、みたいな人もチラホラ。

チームにすると何が良いの?って話はまた別の時にするとして、今は端的に言うと現状の日本式の漫画制作は量産に向いてないと思うから。
この詳細も色々あるけどそれも今回は省きます。

これからはたくさんの作品に携わる、という意味の量産だけでなく、更新頻度を上げるための量産も必要かもしれない流れがあるなと思い、ならば可能性がある形はチーム制かなと。

今、実際に某国とかではチームスタイルで毎日更新とかしていたりするらしいく、そこではあらゆる作業が分業制。

日本で馴染みのネーム原作、作画、という分業よりさらに細かく、顔だけ、手だけなどのレベルで分かれているとか。

もし世の中の漫画が更新スピード最優先になるのであれば、日本式の漫画の描き方(背景以外は基本的に漫画家がやる)だと追いつけなくなるのかなと。
これはまだ予測で未確定な未来の形ではあるけど。

なので、

●量産(更新頻度、請負う数)できるチーム
or
●日本式のやり方で特化したアシスタントチーム

を作れれば、これから先の漫画制作や「創る(作る)」という前線を手中に収めることが出来るのかもな、と思います。

イメージ的にはアニメ会社に近い感じ。


ただし、一番大事なのは根幹にあるであろう

「どう漫画と関わりたいか」

わかりやすく言うと

「昔から読んでる雑誌の漫画家さんみたいに自分が漫画家として、その作品を自分のものとしてやっていきたい!」

なのか、

「世の人たちを楽しませられるのであればスタイルはチームでも全然構わない!」

なのか。

ちなみに僕がチームで漫画を作る事を意識したキッカケは、ディズニーの『ズートピア』観て「面白〜!」と思ってエンドロールみてたらたくさんの脚本がいて、
「あ、多人数でもこんな良い作品作れるんだ」
って意識したところから。


なぜこんな話をしてるのかというと、チーム作りたいけど統括してくれる人材がなかなか見つからないのでやってくれないか、というオファーが来てるので、ちょっと深めにこれからの漫画制作について思案してみた中で思った内容をシェアしてみました。

僕個人の感想と見解ですので、そこはご理解くださいませ。

これからチーム作られる方、作ろうと思う方、この投稿見て何がアイデア生まれた方、ご武運を!

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