仏教の教えとアドラー心理学

アドラー心理学のひとつに「共同体感覚」というものがある。共同体への所属感、共感、信頼感、貢献感を総称したもので、自分の居場所がなく、自分のことしか考えず、周囲の人を信頼せず、他者の役に立とうと考えない人は精神的に不健康な可能性が高い。言っている意味は理解できるけど、以前から「共同体感覚」という言葉がぼんやりとしていて腑に落ちなかった。

とりわけわかりやすい言葉で、子どもでも理解できるように説明できないものかと考えてみた。

ダライ・ラマが複雑な仏教の教えを二つの言葉でまとめている。ひとつめは、「他者を助けなさい」そしてもうひとつは「もしそれができないならば、少なくとも他者に害を与えてはいけません」どちらの教えも愛と思いやりの思想に基づいています。ダライ・ラマはさらに具体的に、自らの信仰の基盤をこのように言いあらわしている。「私の信仰の寺院は心の中にあります。その教えは愛と思いやりです。その道徳は、他者を愛し、敬うということです。私の好きな祈りの言葉は『虚空が存在する限り、命あるものが存在する限り、私も存在し続けて、この世の苦しみを取り除くことができますように』というものです。

アドラー心理学の「共同体感覚」は仏教の教えの他者への「愛と思いやり」に置き換えられるんじゃないかな。


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