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day23―心拍数によって認知パフォーマンスが変わる

今回はもろ研究関連です。

Hansen, A. L., Johnsen, B. H., & Thayer, J. F. (2003). Vagal influence on working memory and attention. International journal of psychophysiology, 48(3), 263-274.

心拍数の高い人と低い人にグループ分けしたところ、ワーキングメモリ関連課題、注意制御関連課題において差が見られた。心拍数が高い人ほどパフォーマンスが良い。

ざっくり背景

心拍数と認知能力の関係というものはかなり昔から研究されていました。最近ウェアラブル端末の普及でそのような研究が数多く行われるようになってきた印象ですが、実は90年代には大抵のことはやられています。今回の論文はその延長にあると思われる2003年の論文です。

実験

海軍!に実験協力してもらった。ワーキングメモリ課題(WMT)とcontinuous performance test(CPT)を実施。心拍数は2つの課題実施前後5分のベースラインを含む4フェーズに渡って測定。参加者をrMSSDという尺度によってlow HRVグループとhigh HRVグループにわけた。
結果、どちらの課題もhigh HRVグループのほうがパフォーマンス高かった。ただし、low HRVグループとhigh HRVグループに分けたが、実は課題中もベースラインもあまり心拍数は変わらない。さらにrMSSDという尺度を使ったが、実は心拍数そのものと精度はそこまで変わらない。相関を見ると、WMTとHRには正の相関、CPTとHRは負の相関が見られた。

考察

実行機能関連課題と心拍数には正の相関があり、心拍数が高い人ほど実行機能関連課題の成績も高い。rMSSDはHFと関係あるが、HRともそこまで変わらない。
心拍数が高い原因として不安がある?
神経基盤を考察すると、前頭葉が副交感神経の活動を皮質下経由で及ぼしている。

所感

2003年の時点で色々分かっているなら、ウェアラブルが普及しないのはやはりハード面か、応用先が不明瞭な点に問題があるのでは。
残念ながら自分の研究ではここまでクリアな結果が出なかったが、やはり人数の問題?あと測定の時間とか参加者の年齢とかもちゃんと揃えるべきか。

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