両親2人とも要介護だった⑰
父を通所デイサービスとショートステイを組み合わせて使える
「小規模多機能ホーム」という所に入所させる事に決め、
新しい施設での父の新たな毎日が始まりました。
初めの頃は週に2日くらいは帰宅し、
昼間はデイサービスで夕方は帰宅する、
それ以外の日をショートステイに。
その施設にも馴染んできたようなので、
徐々に帰宅の日を減らしました。
スタッフさんたちの適切な関わりで
父も施設では特に問題なく落ち着いて過ごしていた様子でした。
その頃はもう母は特養ホームでの生活も
5年目に入っていました。
ホームに入所する前の認知症の父からの
暴言や暴力に傷つき、
もう家で暮らすのは無理だと心底感じたであろう母。
ホームでのスタッフさんのケアや
一緒に生活している仲間とも仲良く過ごしているようでした。
身体の自由はきかないけれど、
ホームではお出かけや楽しいイベントもあり
穏やかな日々を過ごす事が出来たと思います。
母の毎日の介助と、認知症の父の世話、
その他日常の家事でヘトヘトだった私も、
母の入所で介護負担が半分になって
父も週の大半を施設で過ごすことが出来、
ようやく私は自分の日常を取り戻した感じでした。
私たち家族は母を時折見舞いに行きました。
連れて行ける時は父も一緒です。
父はそんな時は母にはとても優しいんですよね。
手を握って「元気だったか?」
以前のギスギスした状態は忘れてしまっているようです。
母が入所した後も母のことを思い出すこともほぼなく、
母の名前を口にすることもほぼ一度もなかったんですが。
顔を見た時だけ思い出すんでしょうね。
そんなある日、母の入所先から連絡が入ります。
「お母さんが体調を崩して救急搬送されました。」
ホームからそう言う連絡が来たのは実は初めてではありません。
内心「またか。今度はなに?」という気分でした。
ホームから知らされた病院に行き病状を聞くと、
急性でない内臓の疾患だとの事。母はもう80代半ばです。
これまで何度も色々な病気で救急搬送され、
その度に多少の入院を経て復活。
そして今回の入院は投薬や点滴等の治療で
回復しそうだとのことでした。
でも今は病気が治っても介護施設に逆戻りするだけです。
実はその病院に母が入院するのは2度目か3度目になります。
(何度もそういう事があって正確なことは忘れてしまいました)
その2年前にも母は盲腸炎で入院し、
その時は手術も受けて復活しました。
病院に救急搬送された患者がいる以上、
病院としては出来うる限りの治療をするのが普通です。
私が連絡を受けて病院に着いた時は
すでに手術の準備は全て整っていて、
私は母の手術の同意書にサインせざるを得ませんでした。
外科手術を受けて手術室から出てきた時は
人工呼吸器が付けられていました。
もし事前に私が母のそばに付いていたら
「外科手術までする必要があるのか?
そこまでして治療を施さねばならないのか?
もう80過ぎの要介護の老人だし、
それはただ母の苦しみを長引かせるだけではないのか?
根本的な治療をするより、痛みだけを取り去り
穏やかに過ごせるようにだけしてもらうことは出来ないのか?」
と言いたかったです。
結局その時は3ヶ月ほど入院し、退院後は元の施設に戻りました。
↑以前の緊急入院時の母。まさに「生還した」記念写真。
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