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ベルジュラック12/サンテミリオン村歩き#53


https://www.youtube.com/watch?v=VlQoUj2Mg1Y

ベルジュラックの長く広い丘は、右側にドルドーニュ渓谷を見据えて長く緩やかな斜面が続く。M氏が運転するVTCは面々と続く葡萄畑の間を抜ける狭い国道を走った。土曜日の遅い午後だ。
「ベルジュラックのAOCは、町を大きく囲ってペシャルマンpesharmantがあります。ここが一番大きいのです。そしてソーシニャックsaussugnacとモンバジャックmonbazllacがあります。何れもドルドーニュ川をわたった向こう側で、monbazllacは市内からだと南へ7km進んだところです。いまこれから向かうChâteau de Parenchèreはここから更に西へ25km進みます。これから行きますChâteau de Fayolleは途中に有ります。ソーシニャックsaussugnacの代表的なワイナリーです」
「ソーシニャックも甘口のワインなんですか?」嫁さんが言った。
「はいそうです。実はソーシニアックらしさは夜明け前にくると良いのです。まだ何処もワイナリーは始まってはいませんが、その時間は霧がこの辺りを埋めます」M氏が運転をしながら応えた。
「霧?」
「はい。ドルドーニュ川から霧が発生するのです。平原は霧に沈みます。そしてその霧が貴腐菌を育てるのです。霧はソーシニアックの葡萄を灰色カビで覆うのです」
「幻想的ねぇ」嫁さんが言った。

しばらく走るとD14ヴィーニヤ道路はD4との小さな交差点にぶつかった。
「あ。Château de Fayolleの標識があるわ」
「これを曲がります」クルマは左へ曲がった。
「D4はソーシニアック村に繋がります。この道には優れたワイナリーが幾つもございます。時間が有れば色々ご案内したいのですが」M氏が言った。
1kmくらい先にマルマン通りという細い道が有った。M氏はこれを右に曲がった。葡萄畑の向こうにChâteau de Fayolle(24240 Saussignac)が見えた。
http://www.chateaufayolle.com/

予約はM氏が電話でしてくれていたので、スムーズな見学が出来た。ホテルを兼務しているので設備はきちんとしていた。ケーブを見学した後、リクエストするとレストランでティスティングと簡単な料理が楽しめた。フロマージュとパテ/ハム類・色々なコルニッション/チャツネなど、次から次に地元料理が出て、嫁さんはえらい気に入ったようだった。ワインのバリエーションも面白かった。
https://www.chateaufayolle.com/boutique/
赤はメルローとカベルネ フランを使っていた。甘口の白はセミヨン、ソーヴィニヨン、ミュスカデルを使っている。
「ミュスカデルMuscadelleって聞いたことないわ」嫁さんが言った。
「ボルドー以外で見ることはあまりないな。ベルジュラックの地元種だ。ソーヴィニヨン・ブランとセミヨンを交配してつくった葡萄だ。あとはオーストリアのトカイかな。酒精強化ワインを作るのにこれを使ってる。トパークTopaqueという。この名前を使ったワインは一部他の地域にもあるくらいだ」
結局のとこ、2時間ほどの滞在になった。嫁さんは、今夜の宿泊を此処にしてもいい雰囲気だが、とりあえず当初の計画で進むことにした。

Château de Fayolleを出て、M氏はソーシニアック村へ向かった。村の中心にあるシャトー ド ソシニャックChâteau de Saussignacに寄りたいとお願いしてあったからだ。クルマは5分ほどで城の前に着いた。


「ここも1500年代に作られた邸宅だ。いまはアパートメントになっている」
「ずいぶん立派なところね。アパートなの?」嫁さんが言った。
「ん。フランス人家族と、アメリカ人夫婦が所有しているそうだ。でもレンタルはしてるそうだ。借りるこはできる。販売もしてるそうだ。借りたい。あるいは買いたいと希望すれば見れる」
https://afrenchview.com/stay
「ん~パス・・かな」嫁さんが言った。
通りを少し散策した後、僕らはもう一度クルマに乘った。
https://proprietes.lefigaro.fr/annonces/chateau-dordogne-aquitaine-france/?ville=saussignac&utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_campaign=Perf_Max&gad_source=2&gclid=EAIaIQobChMIydD_iIyYhgMVkM0WBR209AnxEAEYAiAAEgLO4fD_BwE


無くてもいいような話ばかりなんですが・・知ってると少しはタメになるようなことを綴ってみました