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リュック背負った背広姿の人

背広の語源は、ロンドンのセヴィル・ロウのこと。高級スーツのテイラードが並ぶ通りだ。スーツはね、企業戦士のシンボルなんだ。
英国の騎士が纏う甲冑と礼服の延長線に有るモノなんだよ。
僕らが新社会人になった時代。50年前/おお! 半世紀前だ・・
社会人になると、中央区の親たちは我が子に銀座のテーラーメイドでスーツを買ってくれた。親は我が子が騎士としてデビューすることを誇らしく思ったからだ。
ウチもオフクロが「イッチョマエの仕事をする男になるには大変だけど、その格好をするのは存外簡単だよ」と言いながら、奉職直前に英國屋で背広を買ってくれた。以前FBで話を書いたら「ウチもそうだった」という話を皆さんから伺った。そういうのって、親の「伸びよ」という願いがこもっていたンだと思う。
「先ず格好から入るものサ。ホトケさまも最初にカタチを掘らなきゃ、目は入れられないもンだ。人は先ず見た目だよ。」
ちょっと出掛ける時も、必ず三面鏡の前に座った母らしい言葉だ。
「イッチョマエの仕事がしたかったら、先ずカタチからお入り。」そう言われたことを、今でもはっきりと憶えている。しかし・・それにしても。

リュック背負ったサラリーマンの、型崩れした背広姿を見るたびに思うのです。ねぇ・背広ってぇのはリュックを背負うように出来てないンですよ・・ほんと。んんん。そんなの関係ねえよというならば・・彼らが日本の企業戦士の当たり前な姿ならば・・日本は間違いなく三流国へ堕した・・ね。
出世したくない。仲間とソコソコたのしくやれればそれでよい。低意欲・低収入を良しとする姿・・前線からリタイヤした身である僕には、それがなんとも哀しく思えてしまう。すいません、朝からウチの前を通る少年のままの青年を見て・・思うことです。

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無くてもいいような話ばかりなんですが・・知ってると少しはタメになるようなことを綴ってみました