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サルラ・カネダ06/サンテミリオン村歩き#43

https://www.youtube.com/watch?v=KhY1ucwxsIM

翌日はマルシェの日だ。ホテルの朝食を早く済ませて町へ出た。フェヌロン通りを歩いた。サルラのマルシェは農作物が中心だ。買い物客も観光客より地元の人のほうが目立った。通りだけではなく教会のホールにまで店が並んでいた。嫁さんは大喜びだった。

フォアグラ、ポルチーニ、鴨の瓶詰め、そして鴨の胸肉の店が並んでいる。そしてトリュフ、クルミ、蜂蜜、ワインなどなど。「持って帰れれば全部買いたいのに~!」と目を輝かせていた。
僕は昨日帰りに寄ったManoir de Gisson(24 Pl. du Marché aux Oies, 24200 Sarlat-la-Canéda)の前にあるカフェに座って、嫁さんが戻ってくるのを待った。Manoir de Gissonは10時開業なので閉まっていた。
暫くすると興奮したままの嫁さんが戻ってきた。
「このマルシェに来るだけの旅行でも良いわ!パリのマルシェ歩きの10倍くらい楽しい!」
「そりゃよかった。パリの料理人という映画があったろ?ミュッテラン大統領のプライベート・シェフだった女性の話だ」
「憶えているわ。地方から呼ばれてきた女性シェフで、大統領官邸付きのシェフにいじめられた話。あの人って、サルラ・カネダの人だったの?」
「彼女はシャパナックでオーベルジュをやってた。ダニエル・マゼ=デルプシュという方だ。もう少し北にある村だ」
「同じペリゴールだったのね。あの映画の中で出てきた料理は、ペリゴールの郷土料理をアレンジしたものだったの! だからフォアグラやトリュフの話がいっぱい出てきたわけね。納得だわ」
「そのシャパナックへ行く方に、もうひとつ素晴らしい農作物のマルシェが有るそうだ。観光センターのパンフレットにあったよ。木曜日の午後にカンパニャック城Château de Campagnacの近くで開かれるそうだ」
「遠いの?」
「D704を北へ5kmくらい上がったところにある。徒歩はキツいがTAXIならすぐだ」
「今回はいけないわねぇ・・でもまた来た時に寄りたいわ。ここ(Manoir de Gissonを振り返りながら)は、もういいけど。こんなにマルシェが素敵な町だと、また来る価値はとっても有るわね」
おやおやキゾン家の邸宅探訪はお気に召さなかったようで・・たしかに地下にコレクションしてあった拷問道具に、あからさまに嫌悪してたし。
ギソン家はサルラにあった典型的にブルジョアの邸宅で、一見の価値はあるのだが、まあ仕方ない。

「今日は午前中に近在の古城歩きへ出たいんだ。VTCを予約してある」
「あそう・・カンパニャック城に行くの?」
「予定に入れてないが、ドライバーにお願いして前を通ってもらうことにしよう。行くのは西にあるChâteau de Commarqueというところなんだ。それで、昼はホテルに紹介してもらったオーホベルジュLacombe Michel Ferme Aubergeに予約しておいた」
「コマルク城って、昨日空港から来る途中の道にプレートが出ていたところ?}
「ん。サルラから15kmくらい西だ。山の中に有る」
「ふうん」

マルシェ歩きの後、Manoir de Gissonの裏側マニアナ通りから急な階段ょ抜けてネスマン通りへ出た。
「この辺りは、サルラのブルジョアたちの旧邸宅が立ち並ぶ。今でも旧家が多いそうだ」
「昨日の邸宅みたいに、色々気持ち悪いコレクションを持ってるのかしら」
「まあ、そんなことはないだろうな。昨日のキゾン家邸宅跡は博物館として整備されたからな、日常生活そのものという訳じゃない。あそこのコレクションは、大航海時代にこの町のブルジョアたちがスポンサーした探検家交易業者たちが持ち帰ってきた様々なものを集めたものだったんだ。すべて17世紀から18世紀にあつめられたものだった」
「なるほどね。でもあんなコレクションは見たくない」
「失礼しました」
ホテルに戻ると、予約しいたVTCが到着していた。10分ほど待ってもらって、急いで買い物したものを部屋に運んで、ロビーへもどった。

無くてもいいような話ばかりなんですが・・知ってると少しはタメになるようなことを綴ってみました