夫婦で歩くブルゴーニュ歴史散歩2-4/スノザン#02
https://www.youtube.com/watch?v=B2ZJY6dVV_0
散策しても民家ばかりで観るものは殆どない。 それでもラヴォールワール通りRue du Lavoirを歩くとサン・ジェルマン教会Église Saint-Germain(Rte de Verzé, 71960 Igé)にぶつかった。
「新しい教会ね」
「そだな。19世紀半ばに作られたそうだ。フランス革命の後・・な」
「お邪魔するの?」
「ん。ご挨拶だけしていこう。神様とは仲良くしといたほうがいい」
静かな教会だった。小さなステンドグラスとマリアの像が美しかった。
「サンジェルマンの教会なのね。どのサンジェルマンの?」
「おお、いいとこつくな。どのサンジェルマンだか・・どこにも表記はない・・な。聖ゲルマヌスはわりといっぱいいるからな。『パリの聖ゲルマヌス』か『オセールの聖ゲルマヌス』か・・あるいはオリジナルの『スミルナの聖ゲルマヌス』かもしれない。スミルナはイズミル湾のことだ。トルコの西側地中海に面した内陸性の湾だよ。アナトリアのレバント半島とギリシャ諸都市を結ぶ交易地だ。だから早くからキリスト教の布教者たちが入っていてね、聖ゲルマヌスはそのころの殉教者だ。死ぬときにいっぱい奇跡を起こした人だよ」
「そう・・でもそのへんでいいわ。アナトリア史にはいるといけないから」
「・・すいません」
サン・ジェルマン教会の前に大きな洋菓子店があった。Boulangerie igé aux délice de leo(24 rue st germain, 71960 Igé)+33967273857
「夜の口おさめね」と小さいパン類を嫁さんが買った。
お目当てのドメーヌは此処から近い。目の前のノアウリー通りRue de la Noierieを少し入って二本目のタコ通りRue de Tacotを進むと右側にある。Cave Les Vignerons d’Igé(41 Rue du Tacot, 71960 Igé)である。
http://www.lesvigneronsdige.com/
ノンアボだったが快く迎えてもらった。ここはイジェのワイン組合(Vignerons des Terres Secrètes)が管理しているそうだ。
ワインの販売コーナーで日本へ送れるのかと聞いたら、問題ない!とのこと。ただしヤマトではなくフランスの業者だそうだ。
一時間ほど充分堪能させてもらった。ホテルまでは迷いもせずに10分程度でのんびりと帰った。
食事の時間まで、一階のラウンジでシャンパンを頂いた。
「そんな凄惨な事件があった村だって、ぜんぜんわからないわ」
「150年は長い。でもこの城はずいぶん荒れたままでいたらしいよ。1972年にフランスの大手ホテルチェーンが買い取るまでは廃屋状態だったらしい。屋根も落ちてね、壁も壊れていたのを徹底的に改造して・・それも新品ではなく古式なイメージを再現しつつ今の形にしたのは大したもんだと思うよ」
「え~昔のままじゃないのぉ!?」
「違う。昔のまま形とイメージを残してリニュアルしたんだ。もちろん昔のままの部分も一杯あるけどな。でなければ、あんなに設備の完備したへやにはなるまい」
「そういえばそうね・・じゃ・・お化けは大丈夫ね」
「この城が新しいイジェ村のシンボルになったことで、1989年、シャトーの敷地の入り口に続く道が"1789年7月26日 "通りと改名されそうだ。
そして今はGeorges Blancのものになってる」
「え?彼が改装したわけじゃないの?」
「Georges Blancの管理下に入ったのは2017年からだ」
「へえ、そうなんだ」
さて。料理は。僕の好きなトラッドフレンチを踏襲したものだった。満足度は高い。
ワインは敢えて最初の白をGeorges Blanc Bourgogne Blanc Château d'Igéにした。
https://domainefichet.fr/wp-content/uploads/2023/02/brochure-les-verticales-FICHET-OCT2022-web-1.pdf
無くてもいいような話ばかりなんですが・・知ってると少しはタメになるようなことを綴ってみました