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夫婦で歩くブルゴーニュ歴史散歩2-5/ヴェルジッソン#01

https://www.youtube.com/watch?v=Oz7YvklzMqY

早めに朝食を終えてチェックアウト。M.J氏のVTCが玄関で待っていてくれた。
そのままDomaine Barraud(3 Place de la Mairie, 71960 Vergisson)へ向かった。
http://www.domainebarraud.com/
今回の小旅行で唯一予約をお願いしたドメーヌである。ヴェルジッソン村にある。
「マコンは11のコミューンがある。AOCになったのは1937年だ。AOCなるものが制定されたのが1935年だから、早い時期にAOC指定された。でも最近はMACONを名乗らずにブルゴーニュと云うワインが多い。マコンというと格下と見做されるからだろう。ブルゴーニュと名乗ったほうが売れ行きは良いのもしれない」
「でも、ブルゴーニュなのよね」
「ん。嘘じゃない。ブルゴーニュだ。それもあるのか、赤はピノが増えている。此処はボジョレーと一緒でガメイの地なんだが・・ラマルティニアン渓谷には幾つもの生産者が点在している。
今日これから伺うDomaine Barraudはロシュ ド ソリュトレの近くだ」
「え。ボジョレーへ行ったときに、わざわざ回ってもらった山?」
「ん。ソルトレ・プイィSolutré-Pouillyだ。プイィフッセ・ワインPouilly-Fuisséの地だ。」
ロシュ ド ソリュトレは標高495 メートルの屹立する石灰岩の岸壁だ。畑の真ん中に唐突に立ち上がる姿は驚異だ。
「行くの」
「行かない。行くのはDomaine Barraudまで」
「あ・そ」
それでもその姿は横顔だけどはっきりと見えた。
「見えるわよ」と嫁さんが得意げに言った。
まあ不思議なことを得意に云うもんだ、と思ったが黙っていた。黙っているのが夫婦円満のもと・・ウチのラビの教えです。
醸造所は 細いマルトル通りLe Marteletさらに細い小道に入った奥にあった。アッッパス・ド・ラヴォアールImp. du Lavoirという道だ。
5代目オーナー自身が自ら所内を案内してくれた。1890年から続くドメーヌで、祖父のジョゼフ・バロー氏が創設者だそうだ。

いまは、プイィ・フュイッセ、サン・ヴェラン、マコン・ヴェルジッソン、マコン・シャントレに合計8.5haの畑を持っているそうだ。従来のダニエル&マルティーヌ・バローからドメーヌ・バローへ換えているとのこと。何本か買わせていただいた。
大好きだけど中々手に入らないAllianceを選んだら、オーナーが大喜びをしていた。

訪問時間1時間半程度。若きオーナーに別れを告げたあと、M.J氏のVTCは、登りの道であるD17 Route de Clunyをゆっくりと進んだ。Forteresse de Berzé-le-Châtel(71960 Berzé-le-Châtel)までは20分くらい。緩やかな登りの丘。その上にある要塞化された城と14の塔が見えた。
https://berze.fr/
「すごい!なにこれ!ディズニーランドみたい」と嫁さん。
「おいおいヘンなものと比べるなよ。マコネ伯爵領だ。クリュニュー修道院を守るために作られた」
「これがお家だったの?お掃除が大変ね」と珍しくボケ飛ばしていた。
クルマを降りて散歩した。

「この城のことは991年に作られたクリュニーの地図には載っているんだよ。要塞化したのは1229年ユーグ ド ベルゼ卿Sir. Hugues de Berzéだ。東からの攻撃で、何度も持ち主が替わっている。そのために荒廃し、1817年にティ・ド・ミリー伯爵家comtes de Thy de Millyが買い取るまでは廃墟になっていたんだ。こんなに綺麗になったのは19世紀になってからだよ」
幾つかの門から塔の中へ入って見学した。


無くてもいいような話ばかりなんですが・・知ってると少しはタメになるようなことを綴ってみました