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夫婦で歩くプロヴァンス歴史散歩#28/ヴァケイラス#04

https://www.youtube.com/watch?v=mgyHcLrtwLI

食事のあと、そのままとおりを渡って前のワインショップに入った。Caveau du Vacqueyras(125 Cr Stassart, 84190 Vacqueyras)
カウンターの横にテーブルがあって、そこにムシュJが座って店の男性と談笑していた。
「あら」と嫁さん。ほんとにあら・・だった。
「おかえりなさい。如何ですか食事は?」彼は立ち上がると僕らに彼が話をしていた男性を紹介した。
「Jean-Pierre Combaluzierさんです。ここの店のオーナーです。ローラさんとお二人でやっています」
若い女性がカウンターの奥から挨拶をしてくれた。
「まず幾つかティスティングしてください」ムシュJがまるで自分の店のような口ぶりをした。
目の前に何本もボトルが並んだ。半分以上がミュスカデとグルナッシュを使用したほっそりとしたワインだった。
「お二人はヴァケイラスの甘口ワインに関心があると伝えました。素晴らしい選択だといってます」
Caveau du Vacqueyrasが取扱っている生産者は30者弱。ヴァケイラスだけではなく周辺のワインも揃えいるそうだ。ヴィンテージの幅も豊かだった。
列挙すると。
Vignoble Alain IGNACE/http://www.vignobleignace.com/
Domaine le Clos des Cazaux/https://www.closdescazaux.fr/
Ignace/http://vignobleignace.com/
Mas des Restanques/http://www.masdesrestanques.com/
Montirius/http://www.montirius.com/
Roucas Toumba/http://roucastoumba.com/
Domaine Burle/http://www.domaineburle.com/
Château Bois d'Arlène/https://boisdarlene.com/
Château de Montmirail/http://www.chateau-de-montmirail.com/
Domaine la Fourmone/http://www.fourmone.com/
DOMAINE DE LA GANSE/http://www.domaine-de-la-ganse.fr/
Domaine La Roubine/http://www.domainelaroubine.com/
Château des Roques/http://www.chateaudesroques.fr/
Le Closau/ De Cavehttp://www.closdecaveau.com/
Domaine le Clos des Cazaux/https://www.closdescazaux.fr/
Earl Clos Du Joncuas/http://www.closdujoncuas.fr/
Domaine des Amouriers/http://www.amouriers.com/
Domaine la Bouscatière/http://www.bouscatiere.vin/
Domaine de la Colline Saint Jean/https://www.collinesaintjean.com/accueil
Domaine Font Sarade/http://www.fontsarade.fr/
Domaine de la Monardière/http://www.monardiere.com/
Domaine le Sang des Cailloux/http://www.sangdescailloux.com/
Château Bois d'Arlène/https://boisdarlene.com/
Domaine du Terme - EARL GAUDIN Rolland/http://www.domaine-du-terme.com/
Domaine Vallis Petra/https://www.vallispetra.com/
Bernard Albert/http://www.domaine-la-garrigue.fr/
Domaine D'Ouréa/https://domainedourea.fr/
DOMAINE DES FONTNOBLES/https://www.domaine-des-fontnobles.com/
Vignoble Alain IGNACE/http://www.vignobleignace.com/

次から次にティスティングしたあと、ヴィンテージにも関心があると判ると、珍しいものも幾つも出てきた。
オーナーとの話はムシュJを介してだが、何の支障もなかった。ムシュJ面目躍如とのこと。
結局買い付けの量はそこそこになってしまったが、問題なく日本へは送れるとのことだった。
「ヴァケイラスだけではなくラングドック、プロヴァンス、シオタ、サン・ローランなどなどミュスカは面白いです」とオーナーが仰っているところに彼の造詣の深さを感じた。

さて。繰り返してティスティングをしたので、酩酊感が残った。
「少し町歩きをしましょう」とムシュJが言った。「ただ少し坂があります」
「いいわね、酔い覚まししたいわ。あれだけ次から次に色々出していただくと、断れないから呑み過ぎちゃう」と嫁さん。
ムシュJはと我々はオーナーに挨拶をして店を出た。オーナーのお二人はわざわざ外まで送ってくれた。
「プステル通りPl. Pousterleはぐるりと村を囲っています。もともとは領主の城と教会が有ったところです。幾つか城壁は残っていますが、今はこれ!と指ささないと分からない状態です」ムシュJは我々をムリ向きながら先を歩いていた。幾つもの旧い壁の家が並んでいる。商家は何もない。生活の場所なんだろう・・そう思った。


「今はこんなに葡萄畑は盛んですが、昔は教皇庁のための穀倉地帯でした。コムタット ヴェナイサンComtat Venaissinと云われていたんですが、ローヌとデュランスの間にあるヴォクリューズ山脈がコムタ平原を取り囲んでいまして、周辺はしぜんの障壁になっています」そんな説明をしてくれた。
おやおやガイドのようなことをいう・・
丸い細い路地で囲まれている村の真ん中一番高い所へ立つと、ムシュJは言った。
「ヴォクリューズ山脈の南から独立したプティ・リュベロンは、ムール・ド・カイラスで最高726メートルの標高です。周辺の地域から隔絶しているんですが、スペインからプロヴァンスへ攻め込んできたサラセン人たちはこの辺りも占領しました。彼らが去った後は、プロヴァンス侯爵トゥールーズ伯レーモンドとオラニ公ギョーム・デ・ボーが争いました。この戦争はトゥールーズ伯が勝利してヴァケイラスは彼の領地になりました」
ムシュJはÉglise de Vacqueyras(1 Rue Dauphine, 84190 Vacqueyras)の前に立った。「いま残っているのはサン・バルテルミー教会だけです。何回か修復されて、今はイベントなどでも使用されています」
僕らはムシューJと共にドフィーヌ通りを歩いた。幾つかの中世の残滓を指差すムシュJが実はガイド以上に郷土史に詳しいことに僕は内心驚いた。

クルマはCaveau du Vacqueyrasの前に停まっていた。かれは再度オーナーに挨拶した。オーナーのお二人はわざわざ店の前に出てくれた。僕らは二人に手を振って別れた。
「いいわね。アットホームで。都会にはない。やさしさね」嫁さんが振り向きがらしばらく手を振りながら言った。


無くてもいいような話ばかりなんですが・・知ってると少しはタメになるようなことを綴ってみました