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銀座新古細工#02/東京好日

僕は毎日銀座三越前でバスに乗って店へ出る。銀座で今日出すバケットを買ってくるのが日課なので、大抵いつも長いフランスパンを抱えている。
実はこのバス通勤だけど。好きじゃない。だから歩く気力があるときは、徒歩出勤するようにしている。なぜかというと、8年前に日本へ戻ってきてから、どうもムカシの(ったって20年くらいなもんだが)東京の人々に比して(特に若い女子が)、最近はChinaLikeな自己チュー連中が多いような気がするのだ。とくに(はっきり言おう)豊海行のバスに多い。だから厭な気分になることが多い。
なンだけど。今日はちがった。
ほっこりした気分になった。

いつものように三越の前で乗ったら、かなり混んでた。優先席に小さい女の子が一人、その父親らしい若い男が対面の席に座っていた。そしたら僕の後ろからお婆ちゃんが乗ってきた。
父親が小さい女の子に言った「XXX、こっちへおいで、パパの膝の上に座ろう。お婆ちゃんに座ってもらお」
でも女の子は「いゃあ」と言った。
お婆ちゃんは「いいのよ」と言った。
父親は笑いながら言った。「もしパパがおじいちゃんになっても、XXXはパパに席を譲ってくれないのかい? 」
女の子は小さく首を横に振った。「だったら、おいで。パパの膝にすわろ。」女の子は頷くとパパのところへ行った。

僕は思わず拍手しようかと思った。
譲り合うことの大事さと、他人の辛いことを自分の身として思う心を、その若い父親は我が子に教えたのだ。
きっとこの少女は、優しい素直な心の女性に育つだろうなと思った。
とってもほっこりとした楽しい気持ちになれた。

無くてもいいような話ばかりなんですが・・知ってると少しはタメになるようなことを綴ってみました