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夫婦で歩くブルゴーニュ歴史散歩6-04/ディジョン#04

https://www.youtube.com/watch?v=H8P4sz8eSLY

ホテルからからPorte Guillaume(13 Pl. Darcy, 21000 Dijon)に向かってリベルテ通りをRue de la Liberté歩いて、ディションの凱旋門(ホントは凱旋門ではない)にぶつかる手前を左に入るのがドクターマレ通り Rue Dr Maretである。200mほど歩くと右側に鋳鉄の大きな門が見える。ベネディクト公園Square des Bénédictinsの入口である。
「ここは聖ベニーニュ修道院Cathédrale Saint-Bénigne de Dijonの中庭だったところだ。いまは公園として開放されてる。この奥に有るのがディジョン考古学博物館だよ」
Musée archéologique de Dijon(5 Rue Dr Maret, 21000 Dijon)
http://musees.dijon.fr/
「ここは聖ベニーニュ修道院に努める修道僧の宿舎だったところだ。1834年から博物館になってる」
「ほとんど200年前!?びっくりね」
「ここもフランス革命の時に、ひどく簒奪に有った。しかしその修復は早かったんだ。1781年にはディジョン科学芸術芸術アカデミー l'Académie des Sciences, Arts et Belles-Lettres de Dijonと云うのが立ち上がってね、これが精力的に原状回復と、破壊されたもの盗まれたものの改修を行ったんだよ。1819年からディジョンアカデミーの考古学委員会commission archéologique de l'Académie de Dijonとなって、収集物を私邸ロリンホテルHotel de Lolingに博物館として公開するようになっている。そのコレクションが1834年からここに移ったんだ。そのときには主催者組織もCommission des antiquités du département de la Côte-d'Orになっていた。1831年だよ
ここのメインは一階にあるケルト人のコレクションだ」
一階正面には「船に乗った女神セクアナSequana」が展示されていた。
「船に乗ってる。船がアヒルさんなの?」


「ん。女神セクアナSequanaだ。治癒と安寧繁栄の女神だ。大抵は若い女性として描かれる。この船に乗ったセクアナは1933年にシャティヨン高原にあったケルトのサンクチュアリから持ち出されたものだ。でもそのほかのものはロリンホテルHotel de Lolingの博物館に飾られたものを持ってきた」
並んでオーク材で作られた一連の元ヴォトが修復部分に組み込まれてかざられている。、女神にささげられた木彫りの供物、そして様式化されたブロンズ製の陽物、浮彫で作られた沢山のセクアナ像。幾つものガリア人の石碑が並んでいる。
「これだけセクアナSequanaのものが集古しているのはここだけだ。これらはディジョンアカデミーの考古学委員会が集めたものだよ」
「すごいわね。全部200年以上前に集められたわけ?持ってきちゃったの?」
「そうだ。持ってきちゃった。大英博物館のロゼッタストーンも、ルーブルのミロのヴィーナスもみんなそうだ」
「でもニューヨークのメトロポリタン美術館は違うんでしょ?」
「ん。METのコレクションは、19世紀になって大金持ちになったアメリカ人たちが、ヨーロッパのオークションで買い漁ったものを寄贈した美術館だ。持ってきちゃったンじゃなくて、買ってきちゃったもンで出来てる。だから超一流なものは何もない。量だけは一杯ある。質より量というのがアメリカンスタイルだ。
このケルトのサンクチュアリはフォンテセクアナエFontes Sequanaと呼ばれていた。ディジョンからは北西約35kmくらい言ったシャティヨン高原。ロンセ・シュル・リゴンとサン・ジェルマン・ソース・セーヌの境界にある」
「行った?あの辺はシャンパニューのガラス容器と焼き物を見に行ったわよね」
「フォンテセクアナには行かなかった。大きな緑園地帯なんだ。ひたすら続く湿地帯でね、30年ほど前、ドイツにいた時に僕独りで行ったよ。Sources-de-la-Seineはパリ市が1864に買い取ってる」

https://www.contrat-sequana.fr/wp-content/uploads/2012/05/Livret-ZH-Sequana

「フォンテセクアナは紀元前5世紀ころから有ったそうだ。ローマが入ると急速にローマ化した地域だ。ガリア戦記のなかで駐屯地帯として此処のことが書かれているよ。サンクチュアリは、必ず後から来たヒトたちもサンクチュアリとして崇める。カミの名前が変わってもね。サンクチュアリはサンクチュアリだ」



無くてもいいような話ばかりなんですが・・知ってると少しはタメになるようなことを綴ってみました