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旅に出る理由

旅の話です。
大学を出て働き始め2ヶ月ほど経った頃、僕は箱根と鎌倉に1泊2日の旅行に行きました。東海圏から。その時の自分の日記を見て、思い出しながら書いています。

箱根は、箱根湯本駅付近以外ほとんど山でした。斜面。
よくもまあこんな細い山道を、電車もバスも走っているなあと感心しました。
鎌倉では、一緒に行った当時の恋人が見つけてくれた”ソングブックカフェ”がとてもよかったです。
素敵な絵本が読み放題で、長居しました。

その旅行のあいだ僕は、
「今自分は、何のために旅行をしているんだろう」
という疑問をぼんやりと感じていました。
いや決して、恋人との旅行が楽しくない訳ではないんです。ただ、目的はなんだっけ?何がしたくてわざわざ遠くまで来たんだっけ?と。

今日現在を含め、落ち着いているときの僕は、「そんなひとつひとつの行動・事象すべてに、いちいち何かしらの意義を見出さなくたっていいじゃん」と思っていますが、当時は、入社した会社で受けていた長期間の研修に対して「これほんとにやる必要あるのか?」「何か自分で考えて行動しないと、ほかの同年代に置いていかれるのでは」と不安を感じて焦っていた影響もあったのでしょう、そういう思考になっていたんです。

とりあえず、無難で万能な旅行の目的として思いつくのは、
”日頃のルーティンワークな生活に刺激を補って、心をリフレッシュするため”ですよね。
あとは、”誰かしら箱根・鎌倉に行ったことのある人と話す時、話題についていけるようになるため”とか。
でもなんとなくそれだけじゃ納得できずにいました。

旅行の帰りになっても答えが出ず、諦めて僕は恋人に
「今回の旅行はどうでしたか?」
と尋ねました。
「楽しかった」
「どんなところが?」
「んー、移動してる感じ?」
当時の僕にとって、その答えはとてもしっくりきて、視界がクリアになった感じがしました。
早起きするために早起きしたっていいですよね。

ソングブックカフェ、まだあるのかな。

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