2023年2月 映画のまとめ

 2月は計17作を鑑賞。ほとんどが再鑑賞で、初鑑賞のものはFilmarksから全文を、再鑑賞は追記分のみを引用(一部加筆修正あり)。※以下リンク先はWikipedia

2/8 ローン・サバイバー

 ☆4.0 [テレビ録画] 前線から一人の負傷兵をヘリが搬送中に心肺停止してしまうが、基地に戻りAEDで一命をとりとめる、という幕開け。タリバンのリーダー1名を暗殺するという任務、途中までは順調だったが羊飼い三名に出くわすところから道を大きく踏み外す。交戦規定により民間人を開放し、チームは退避へ。そこからの追いつ追われつの逃走劇が面白かった。

2/8 羊たちの沈黙

 ☆5.0 [テレビ録画] 改めて見直してみると、この映画の成功点は対話劇であったことじゃないかな。落ち着き払ったハンニバルと、まだ不安気なクラリスが大写しになることが多かった。舞台俳優としても膨大なキャリアを誇るA.ホプキンスの面目躍如でした。原作では1作>2作>3作で、映画では羊>刑事グラハム(レッドドラゴンの最初の映画化)>ハンニバルの順で好き(4作目は未読・未鑑賞)。

2/9 ラスト サムライ

 ☆4.0 [テレビ録画] 江戸期武士は藩を運営するテクノクラートと、武士道を追求する剣術家に二極化されたと思う。明治以降前者は官僚となり、後者は町道場の主となった(私の名付親も戦時中特高に移動となったせいで公職に復帰できず道場主として生涯を終えた)。この映画の制作陣は外国の方なので後者の面しか取り上げられていないのが残念。島津藩には示現流という分厚い土台があったので、武士道の伝統が残り西南戦争に繋がったと思っている。

2/9 ダンケルク

 ☆4.5 [Prime Video] ダンケルク海岸で救出を待つ提督。水平線に異変が起き下士官に双眼鏡を要求、下士官に「何が見えます」と問われ「ホーム」と答える。そこには無数の民間船が映っていた。【陸】英軍一兵卒が逃げ回る、駆逐艦で海に逃れるもUボートに追い返されれ再びダンケルクへ。【空】スピットファイアーのパイロットがダンケルク上空のハインケル爆撃機を排除するが、燃料切れに。【海】小さなハウスボートでダンケルクへ救助へ向かう一家、海上で次々と救出を実行。スタートの時間軸はバラバラなのだが、クライマックスでタイムラインが合う手法が素晴らしい。

2/10 キャッシュトラック

 ☆4.0 [Prime Video] スウェーデンでは電子通貨として使えるチップを無料で皮下注射することで、現金の流通量が減り銀行強盗も激減した。アメリカでも同様の政策ができないはずはないが、既得権益者の反対で実現していないね。各所で伏線がばらまかれているが、回収されなかったものも多く不満だが、スピーディーなストーリー展開で楽しめた。

2/12 ダ・ヴィンチ・コード

 ☆3.5 [テレビ録画] 以前のレビューでも書いたけど、ニカイア公会議などは『ローマ人の物語』、各種騎士団や修道会は『十字軍物語』を読んだおかけで理解度が高まり、バチカンの内情についてはA.J.クィネル『バチカンからの暗殺者』にインスパイアされる点が多かった。相変わらずサスペンスフルで楽しめました。

2/13 天使と悪魔

 ☆4.0 [テレビ録画] 「神と科学の闘い」これまでイルミナティは怪しげな秘密結社と思っていたが、教会側は科学を旗印にする集団だと思っていたのか。ガリレオの時代からバチカンと科学の鍔迫り合いはあったけど、教会も特に医療面では科学には先進的だよね(日本でも聖路加とか聖マリアンナは有名)。逆にアメリカの一部では進化論を否定し、教科書に載せない地域がある。自分はそういった人たちをキリスト教原理主義者と呼び、イスラム原理主義者と同様に蔑んでいる。

2/13 インフェルノ

 ☆4.5 [Prime Videos] キリスト教における地獄の概念は約500年前のダンテから始まったとか。日本でも仏教の地獄観は1500年ほど前の平安時代に広まったらしい。地獄なんて安っぽいものだったんだね。自分は元々地獄なんて信じてなくて良かったわ。

2/14 ボーン・アイデンティティー

 ☆3.5 [テレビ録画] これまで100冊を超えるスパイ小説と50冊ほどの軍事情報関連の書籍を読んできたが、CIAが殺人部隊を組織ししたと言う信憑性のある記述は目にしたことはない(ベトナム戦争時傭兵を雇用したのはあるらしい)。現在ではドローンでの暗殺はCIA主導で行えるが運用は空軍兵、陸上での作戦は特殊部隊との共同作戦になる。よってこの物語は全くのファンタシーとして観たが、アクション映画として(特にパリでのカーチェイス)楽しめた。

2/16 ボーン・スプレマシー

 ☆3.5 [テレビ録画] 冒頭で最愛の女性マリーを殺される。そこから復習行が始まる。なかなか戻らない記憶と切れ切れの記憶の断片をつなぎ合わせ、元の上司を追うが既に死亡していた。ボーンにも昔の組織や正体不明の敵の手が伸びるが、躱しつつ旧上司の関係者に迫る緊迫した展開。先行きが読めないエンディングだった。

2/17 ボーン・アルティメイタム

 ☆4.0 [テレビ録画] 徐々に明らかになってきた人格改造による殺人人間計画。1974年刊行の平井和正『狼よ、故郷を見よ』でも向精神薬を自ら注射しながら犬神明を追いかけるCIA殺人部隊が描かれていたのを思い出した。約50年を経てのこの描写には背筋が凍る。

2/19 ジェイソン・ボーン

 ☆4.0 [Prime Video] これにてファンタシー過ぎたシリーズは完結かな。最近CIAは優等生になっているので、国務省が契約している民間軍事企業を掘る方が面白いネタにありつけるんじゃないかな。しかし、アテネとラスベガスのカーチェイスは緊迫感あって素晴らしかった。

2/20 テルマエ・ロマエ

 ☆4.0 [Prime Video] 塩野七生『ローマ人の物語』でドップリ古代ローマに浸っていたのに、これを見逃していたとは大不覚。多少古代ローマの描写には注文をつけたい点はあったが、ファンタシーとして観れば許容範囲。SF愛好家としてはタイムスリップものは守備範囲じゃないけど、上手くまとめてたかな。公衆浴場には図書館などの施設も併設していたことを描いて欲しかった。

2/21 テルマエ・ロマエII

 ☆3.5 [Prime Video] 前作に比べエピソードが細切れで、あまり入り込めなかった。現代もそうだけど、古代ローマでは酷暑で男性陣は午前中に仕事を終え、午後は自宅や公衆浴場でユッタリ過ごす人が多かったというような風習も紹介して欲しかったな。

2/22 1944 独ソ・エストニア戦線

 ☆4.0 [Prime Video] 先日の「クロ現」で桑子アナがリガからレポしていたが、エストアニアの人々はロシアへの嫌悪感を今なお拭えないようだった。この作品を観てその感情に納得がいったかな。MG42のチェーンソーのような射撃音こそやや物足りなかったものの、戦闘シーンは基本に忠実で再現性が高かったわ。

2/24 オデッサ・ファイル

 ☆4.0 [Prime Video] 先日観た『1944』で第二次大戦リトアニア戦線というキーワードで思い出すのが、リガ近郊の絶滅収容所の所長で「リガの屠殺人」の異名をとったE.ロシュマン。彼を題材にしたしたのがこの小説で、私をスパイ小説・冒険小説沼へ頭の先まで引きずり込んだ一冊。F.フォーサイスの原作は何度も再読したが、映画は初鑑賞。比較的原作に忠実で、安心して観られれた。

2/28 ザ・スクワッド

 ☆4.0 [Prime Video] ジャン・レノ主演の刑事ドラマで、武闘派の刑事チームを率いるのがジャン。新任の上層部は「フランスの警察は市民に嫌わられているので、穏便な操作をしてくれ」と締め付けが厳しくなる。そんな中、銀行襲撃のタレコミがあったり、宝石店強盗が発生する。振り回され後手後手にまわるチーム、誤認逮捕という失態を犯しチームは危機を迎える。ミステリーとしても一ひねりあったり、銃撃戦のシークエンスもシビレた。

#映画 #羊たちの沈黙 #ダンケルク ダ・ヴィンチ・コード #ジェイソン・ボーン

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