猫田による猫田のための、浅草氏。
浅草氏。
浅草氏とは、
『映像研には手を出すな!』(大童澄瞳氏) に登場する、
映像研の電撃3人娘の一人、浅草みどり。
最強の世界を描き出すためにアニメ制作を始める、
「設定が命!」の女子高生です。
漫画原作の『映像研には手を出すな!』略して『映像研』。
アニメ化を機に一大ムーブが起きた、
と、少なくとも私は認識しています。
そもそも『映像研』とは、
芝浜高校でアニメ制作を舞台に
映像研(映像研究同好会)の電撃3人娘が繰り広げる冒険譚。
そして電撃3人娘というのが、
アニメ制作のために映像研を立ち上げた
浅草氏、金森氏、水崎氏の三人なわけです。
『映像研』漫画ももちろん面白いですが、
私は俄然、アニメが!おすすめです!
というのも本作では、
映像研のメンバーが本人たちの想像するアニメの世界の中で
制作会議を進めていくという演出があります。
その、アニメの演出が、まさに圧巻なのです!
鉛筆描きのイメージボードがそのまま動きだす、
そんなアニメーションにワクワクしないわけがない!
そしてこの演出の最大に最高なポイント、
それが、浅草ボイスによる効果音!
例えば、
換気扇の音「ブオオンブオオン…」
機材を固定する音「ウィィィィィィン、ガロロ、ガロロ」
翼が羽ばたく音「バサ、バサ、バサ、バサバサバサバサ」
これらが、浅草氏の”声”によって再現されるんです!
浅草氏が描いた絵が空想の世界として動きだす、
空想世界内の音として聞こえる、浅草ボイスによる効果音。
な、わけなのですが。
浅草氏の推したいポイントが、
小学生から高校生になった浅草氏の成長がうかがえる、
浅草ボイスによる効果音、の成長なのです!
アニメ『映像研』の1話は、
浅草氏による回想から始まります。
小学生の浅草氏の夢は、冒険家だった。
家族とともに浅草氏が引っ越してきた集合住宅。
建物の下には川が流れ、迷宮のように入り組んだ複雑な建物。
小学生の浅草氏は日々その地を冒険し、その記録を残していく。
しかしある時、動画配信サイトで偶然見たアニメ。
その中に、一人では表現できない広大な冒険の世界を見た彼女は、
「最強の世界」を描き出すため、アニメ制作を志す。
さて、その浅草氏の回想シーン、
小学生の浅草氏によって描いた冒険の記録も、
まだつたない絵柄で空想世界として動きだし、
さらに浅草ボイスによる効果音が当てられます。
モノレールが停車する時の音「ウイーン、ガシャーン」
鳥の鳴き声「チュンチュンチュンチュン」
ボートで水路を移動する音「スイー」
しかしこれらは絵本や国語の教科書に書いてあるような、
音を言葉として分かりやすく表現しただけのものです。
鳥の鳴き声は「チュンチュン」と書かれるが、実際はそうではない。
小舟が移動するときの音は「スイー」と書かれるが、実際は違う。
小学生の浅草氏は、まだそのことに気づかないでいるわけです。
しかし「最強の世界」を目指してアニメ制作を志した浅草氏、
設定に命を懸けてきた浅草氏によって描かれたイメージボード、
そこに当てられる浅草ボイスによる効果音は一味違う!
メカの収納庫には換気扇があるはずだから、換気扇の音が鳴る。
ねじを締めきった時は、金属面にぶつかるから、ぶつかる音がする。
小学生から高校生へと成長し、
実際の機械や場所に対しての具体的な理解が深まったことによって、
空想の世界においてもどんな音が鳴るのかがわかる。
空想を具体的にイメージする力が急成長を遂げている。
と、いうことが、この空想世界内の効果音だけでわかるのです!
浅草氏の設定へのこだわり、天性の観察眼。
それが、浅草氏の最強の推しポイント!なわけです。
浅草氏のというよりむしろ、
アニメ演出への推しポイントになったかもしれないですが。
しかしながら、
作中では、電撃3人娘の中でもお調子者で三枚目な浅草氏、
その中にある確かなこだわりと強い意志に、心惹かれます。
もちろん、小心だぬきな浅草氏も、良い。
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