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ネグロス島へ 慰霊の旅...②

靖国櫻 我を待つらむ

旅って一つの物語みたいだなと思う。始まりがあって終わりがある。
なので、今日話すことは物語の序章になるのか。

私の手元には数枚の大叔父の写真がある。証明写真のように小さな写真の裏に、大叔父が書いた詩があった。靖国桜が咲く前にここを去らねばならなくなった事。その後に ”靖国櫻 我を待つらむ” とあった。
(いつか、またこの地を踏んで満開の桜を見るまで待っていて欲しい)という意味だと理解した。

今年の桜は予想が大いに外れ、例年より遅い開花となった。

フィリピンへ発つ前に靖国神社へ参拝し、大叔父に桜を見せてあげようと思った。

大鳥居の前で大叔父の写真を胸に抱き、満開の桜と花見客と共にゆっくり大叔父に話しかけながら、境内を歩いた。

拝殿で参拝後、裏にある神池庭園に向かった。桜の花びらが池に浮かんで美しい。東屋で暫し池を眺めていると初老の女性から声を掛けられた。60歳くらいの男性と二人連れだ。「ご遺族の方ですか?」

私が大叔父の写真を胸に参拝している所をみたようだ。「貴女が隣にいらっしゃって、すっと軍服を着た写真が目に飛び込んできまして、、、。なんだか涙が止まらなくなってね、、。」

そっか、気づいてくれたんだ。私も少し涙目になって、これから慰霊の為に子どもたちを連れてフィリピンへいく事。独身のまま亡くなったので、誰もお参りしてくれる人が居ない事を告げた。 

2人連れと会話した神池庭園で

「結構なことです。気を付けて行ってきてね。」と話され、お別れした。
ほんわかと優しい気持ちになる。

靖国神社でお神酒とお香を買った。お神酒は飛行機に持ち込めないので、お香を「日本神社」に持って行こう。あと、伯父さんから頂いた大叔父の出身地の茨城のお茶を供えよう。日本のお茶、きっと飲みたかっただろうな、、、
涙があふれる、、、、。

冒頭の ”靖国櫻 我を待つらむ” 大叔父さん、わかってたのかなー?
靖国の櫻は貴方を待「まつ」つのではなく、貴方を祀「まつ」っていることを。

”靖国櫻 我を祀らむ”

何と言う皮肉、、、、。

”靖国の島 我は帰らむ” としていたら、、

もしかして、戻って来られたのだろうか、、、、、

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