短編小説「余命1ヶ月のサンタクロース」第1話
11月23日。
ワタシは、サンタクロースになると決めた。
何しろ、あと1ヶ月しかカラダがもたないのだ。
それまでに、大好きな人たちにプレゼントを渡したい。
少しでも、私のことを覚えていてほしいから、そのプレゼントをみたとき、使うとき、思い出して欲しいから・・・。
こうして、寂しがり屋のサンタさんが生まれました。
11月24日。
誕生日を迎える人がいました。
朝起きてトイレに行こうとしたら、その人が洗面台で顔を洗っていました。
「お誕生日おめでとうございます。」
これが、サンタになると決めて贈った、最初のプレゼント。
とても軽やかにスタートした日でした。
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