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浅い呼吸と、少しのため息。

気づいたら、呼吸が浅いまま、1日を過ごしている。

そんなことに気づいてしまったのは、ほんの少しついたため息だった。

ため息をつく、たったそれだけのことで、こんなにも息が苦しいのかと感じた。

弱目に祟り目とはよく言ったものだと。

フレッシュとは言い難い部屋の空気を、酸素を探すかのように、深く息を吸う。

頑張れば、この場の空気を全て吸い尽くすことができるのではないかと、そう思う。


去し事のいくつもを頭の片隅から引っ張り出しては、思い倦ねている。

そのどれもが、考えても、わかりきれない事。

いや、わかろうとしたくない事。

わかろうとすれば、桜の一片のように、どこか遠くへ行ってしまうのではないかと。

心做しのいくつもを繰り返し、自分の心を取り繕うとしてしまう。

そうやって、何度も思い倦ね、また記憶の奥底に仕舞い込むだけ。


桜の花びらが、ひらりと落ちてしまうように、人の心もこぼれ落ちるのは、難しいことではない。

稀なことでもなければ、どこか遠くの話でもない。

私のすぐ隣にあって、少し傾けば転がってしまうようなこと。

ある日、自然に、素直に、想いが交錯することなく、すっ、とつながってしまう。

何ら変わりない一日かもしれない。

でも、ひらりとこぼれ落ちたとき、それに気づいたとき、私は考えると思う。

絶望と無残な私を置き去りにして、どこか遠くの未来へのチケットを手にしたいと。


浅い呼吸を、もがきながら、生きながらえる。

そのことに、どれだけの意味があるのだろう。

そのことに、意味を見いだせるのだろうか。

生きながらえること、それが幸せとしても。

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