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最強チームのつくり方・実践編

※このコンテンツは「現在進行形」です。実践のうちに改訂を繰り返し、完成形を目指します。

最強チームのつくり方・序論
最強チームのつくり方・準備編

上記二つでチームビルディングについて述べてきました。いよいよ実践編です。

チームビルディングで最も注力すべきは、コアコンピタンスの見極めです。これさえ出来てしまえば、あとは自動的と言って良い具合にチームは起動し、前進をはじめ、それが持続するでしょう。逆に言えば、そうなっていない場合は、コアコンピタンスが間違っているということです。

チームのコアコンピタンスは何か?

チームの「得意分野」「他が真似できない能力」がコアコンピタンスです。

Wikipediaによるとコアコンピタンスとは、企業で言えば「競合他社を圧倒的に上まわるレベルの能力」「競合他社に真似できない核となる能力」となるのですが、それは従来の資本主義的な捉え方で、時代遅れです。価値観が急激に変化しているここ数年を考えても、これでは次の時代には乗っていけません。直ぐに陳腐化してしまいます。

既に始まっている「モノからコト」に移る時代においては、従来の資本主義的な価値観念では人をシアワセにできません


ネオコアコンピタンスの誕生

チームが最も求めるべきものは「人間のシアワセ」であり、分かりやすく言えば「隣の見ず知らずの人をシアワセにする能力」です。それを実現するチームであれば、社会に容易に受け入れられます。特定の企業や団体や人をシアワセにするのではなく、社会全体をシアワセにするからです。

『人をシアワセにする能力』

コアコンピタンスが目指すのはこれです。従来のコアコンピタンスとは一線を画します。「ネオコアコンピタンス」の誕生です。

間違ってもお金を稼ぐことではありません。お金は副産物であり、単なる道具です。お金の本質を理解すれば、お金とは単なる借用証書であり、紙きれでしかなく、実体もなく、価値があると信じ込まされている「幻想」です。それが資本主義の本質であり、その幻想がいま、崩れ始めているのです。

そのあたりは「お金の使い方・三部作(まとめ)」を参考にされれば容易に理解できるでしょう。お金で人はシアワセにはなりません。それで感じるシアワセは、単なる一過性のもので、持続可能ではありません

このように、コアコンピタンスと言う概念も、時代と共に進化します。シアワセを中心に考えるものをネオコアコンピタンスと、これから呼びます。


シアワセとは何か?

シアワセになりたい、それは誰もが望むことでしょう。

資本主義にどっぷり浸かって洗脳されると、シアワセとはお金を稼ぐこと、と考えてしまいます。こういった今までの価値観、お金でモノゴトを判断することに慣れていると、チームのコアコンピタンスに、人をシアワセにすることがイチバンなどという発想が生まれません。自分たちがシアワセになることしか考えません。そして、お金最大化、利益最大化を目指すでしょう。お金の多寡をゴールにしてしまう、典型的な過ちに陥ります。

日本人は働くことが好きです。働くことに喜びを見つけ、地域で役に立つことが個人の喜びに繋がりました。村八分という言葉がありますが、たった二分、外されただけで不幸になってしまう社会です。そこに西洋文明が入り込んで、「お天道様が見ている」という倫理観が薄れました。代わりに拝金主義が国家の運営にビルトインされました。明治時代のことです。

西洋的な価値観は魅惑です。富をお金に換算するので、分かりやすい。富国強兵で突き進み、ロシアを奇跡的に打ち破り、西洋の植民地主義を借用してアジアの小国・日本の快進撃は始まりました。

それが脆くも崩れた第二次世界大戦の敗戦により、日本は世界最貧国に陥りました。そこから二度目の奇跡を起こし、GDP世界第二位まで駆け登りました。そして「正直者が馬鹿を見る」社会が出来上がりました。

日本は、いい夢を見せてもらいました。モノに溢れた社会がやって来ました。そして心が失われました。他人と共感できない社会、他者許容の低い社会、弱みに付け込む社会、富む人と貧しい人との二分化した社会。社会は壊れ始めました。その最たるものが教育です。賢く敏感な子どもたちは不条理を直感し、学校に行かない選択をしました。そうやって行動で大人に教えてくれましたが、大人は理解ができませんでした。日本の教育は時代に合わなくなりました。


新しいコアコンピタンスの考え方

新しいコアコンピタンスの考え方は、お金を頂戴して働くだけでなく、「お金を払って働く」ことも当然発生します(分かりやすい例は無償ボランティアですね)。

働いてシアワセになるのですから、多様性を受け入れ、存在を認め合う、SGDs的な全員参加型社会においては、シアワセの定義がお金から共感や共存、共栄に移ります。誰かが富を独占する時代の終わりです

シアワセになるために働くのであって、お金のために働くのではありません。お金でシアワセになるのではありません。お金はシアワセの一部かもしれませんが、それだけではシアワセになりません。大人になることがお金を稼ぐこと、そう摺り込まれた頭を、いったんリセットしてください

働くと言うことは、人間の本能に根差した「才能」であり、その才能を生かして仕事をした時に得られる喜びは「他人をシアワセにした」時に訪れます。

もう一度言います。誰かを笑顔にした時に、人間は幸福感を覚える動物なのです。

自分だけを幸せにしても、それは一過性のものでしかありませんが、他人を幸せにし続けることは、身近な社会を幸せにします。それはつまり自分を幸せにすることなのです。情けは人の為ならず、とはよく言ったものです。

トヨタにその例を見ることが出来ます。2020年の株主総会での豊田章男社長の回答で、一部では有名な「ロバと老夫婦の話」です。

章男社長のロバの話

トヨタは役員の多くを解任し、フラットな組織にして、時代の変化に耐えるスピード感溢れる組織に変化しています。その効果は既に現れ株価は最高値を更新しました。トヨタもこの「最強チームのつくり方」と同じ方向にチーム理論を進めています。

チームのコアコンピタンス、いやネオコアコンピタンスには、このトヨタの「幸せを量産」に見るような「新しいシアワセの概念」をビルトインします。

ネオコアコンピタンスは強力かつ共感を生みます。あらゆる人が協力してくれます。あらゆる人が参加してきます。そうなるようにチームを作るからです。

ここで「最強チームのつくり方・準備編」にもう一度戻りましょう。もう一度読み直してみましょう。そして「勇者」はどんな人に最初に声を掛けるべきか分かってくるはずです。様々なことが「そういうことだったのか」と見えてくるはずです。この「最強チームのつくり方」も、実はRPGなんです。


チームの基本ルール

・まず相手の言うことをよく聴く
・批判しない
・競争しない
・失敗を楽しむ
・惜しみなくシェアする
・人と人との間の垣根を溶かす
・相手の考えを活かす方法を提案する
・固定概念を疑う
・迷ったらワクワクする方を選ぶ
・自分の「やりたい」を相手の「やりたい」に変換する

最後の一文は最も重要です。

自分がやりたい」と思っているうちは、物事は成就しません。「相手がやりたい」と思うようになれば、うまくいきます。とても簡単な例を示しましょう。営業は、相手に買ってほしいと思っているうちはダメで、相手の方から買いたいと言ってくるようにもっていくのが本当の「営業」です。


曖昧な方が強い

曖昧じゃない場合は、概ね二元論に持ち込むことが多いと思います。つまり二つの案を並べてどちらが良いか、と選択する方法です。これからの時代は変化が激しく、昨日まで正しかったことが、今日からは正しくないということが頻繁に起こるでしょう。

そういう変化に柔軟に対応するために、敢えてカッチリ明確化しないという「戦略」です。これは個々のメンバーの思考能力を鍛えますし、常に自分で判断していく訓練にもなります。

大まかにしか定義しないので、メンバー各々が、その場その場で最適な選択をします。それをICTを使って瞬時にシェアします。シェアすることで其れに異論をはさむ人は直ぐに反応して、代替案を提案します。ここで重要なのは批判はご法度、という基本原則です。

何か言うのなら、自分で案を用意してぶつける。それをメンバー内で議論する。この議論するというプロセスが、メンバー内のコンセンサス、共同意識、共感を醸造します。対話によって成り立つチームです。

ICTを使って、ちゃちゃっとネットで集まる。5分もあれば十分。

それまでの経緯はシェアできていますし、相手の思考回路は互いに理解できています。あの人ならこう考えるだろうな、ということは容易に想像できるので、会って話すときは「確認」するだけで済むでしょう。全員がナラティブで語ることに慣れていますから、自分の意見を瞬時にまとめて上手に伝えることに問題は発生しません。


対話がチームを強くする

カリスマリーダーは時代遅れ、これは「最強チームのつくり方・序論」でハッキリと申し上げました。リーダーが上意下達する時代は終わりです。チームを強くするのは「対話」です。ICTを使えば瞬時に行えます。

対話の前提は相互理解です。だから「最強チームのつくり方・準備編」が重要になるのです。

お互いに理解しあった、気心の知れている、そして互いの弱みを知って補完し合えるチームは最強です。意思疎通が瞬時に行えます。多くの言葉を必要としません

なおかつ、対話すれば対話するほど、チームは強くなり、メンバーはスキルが上がります。そういうチームは、一緒にいることが楽しくなります。対話すればするほど、様々なアイディアが噴出してきて、会うたびにワクワクが増大します。

最強チームは「思考するチーム」です。チームが意志を持っているので、外から見ると一枚岩だし、すごく楽しそうに見えるはずです。

楽しそうなチームには人が集まってきます。注目を集めます。氣を集めます。人気になります。より質の高いリソースを集めることが出来ます。

最強チームの誕生です。


ゴールはいつも見えるようにしておく

チームのゴールは「準備編」に記したように、旅の目的地であり、そこで達成する「コト」です。

チームが進むうちに道を見失うことがあるでしょう。そういう時のために、ゴールは明文化して、いつも見えるようにしておきます。見えるから、そこに向かって歩むことが出来る。道に迷いそうになったメンバーも、明文化されたゴールを思い出して、戻ってこれます。

ゴールとは山に登るようなものです。登る山を決め頂上を定める。登るルートを決め、道具を準備する。時には道具を新しく作らなければ、登れない道にも出くわすでしょう。ワクワクしますね。新しいことがどんどん始まります。新しいことがどんどん起こります。


ゴールを決めたら、終わりの合図を決める

ゴールに到達し、頂点を極めたら一旦終わりです。

えてして起こりがちなのは、ゴールに達しているかよく分からないという事態です。もう頂上に上り詰めたのに、まだ何かあるはず、もっと良くなる、もっと凄いものがあるはずと、辺りを徘徊して時間を無駄にします。

そうならないように、何がどうなったらゴールに達したことになるのか、これを明文化します。出来れば数値化すると良いでしょう。

終わりの合図は、あらかじめ決めておくのです。


終わったら次のチームへ

ゴールに達したらお祝いしましょう。そして解散です。よくやりました。

既に並行している別のチームが存在するのなら、メンバーはそちらに散っていきましょう。そして培ったスキルを次のチームで活かしましょう。成長した自分を実感できるはずです。

ここまで来るうち新しいゴールに気付くかもしれません。そうしたら新しいチームを作るのも良いでしょう。

最強チームを作り、それが終わり、ノウハウは確立されました。チームの遺産の出来上がりです。ここまでで培った一連の流れをテンプレートとして、次に活用しましょう。

それは次に作るあなたの新チームのコアコンピタンスの一部であり、あなた自身のコアコンピタンスの一部になります。これほど強力なスキルは他にないでしょう。それをきちんと言語化してプレゼンできるようにしておきましょう。無敵のキャリアの誕生です。

チームに加わったことにより培った、自分自身のコアコンピタンスの上積みで、その後の人生を、前よりも、もっと楽しむことが出来ます。


惜しみなくシェアし合う:愛のエコシステム

大切なことは、このノウハウを惜しみなくシェアすることです。ひとり占めしないのです。与えあうことが互いのシアワセに繋がること、それを思い出しましょう。

与えあいには「」があります。人を思うがあります。自分のシアワセより他人のシアワセを望みます。互いに尊重し合い、互いに認め合う。それはまさしくSDGsの精神そのものでしょう。もうお分かりですね、SDGsとは「」なのです。見返りを求めない「与え愛」なのです。

与え愛が循環するエコシステムは、実にシアワセです。心が穏やかで、平和で、満ち足りています。そうなる様に人を愛します。社会はシアワセに満ち、愛が溢れます。愛のエコシステムが循環します。

イメージしてみてください。今とは正反対の世界です。


1人が10人力になる魔法の思考方法

最強チームのつくり方・序論」に示したように、チームビルディングで具体的にやる項目を並べるとこうなります。

・変化、不確実、複雑、曖昧、を強みに変える
・理想は「ゴレンジャー」
・ダイバーシティが究極の武器になる
・人種、性別、年齢が違う方が有利
・ストレングス・ファインダーで自分を知る
・ストレングスを補完し合う最強チームを作る
・偏愛マップで互いのパーソナルを知る
・自分のトリセツはメンバーを助ける
・違うことが強みになる
・変化のスピードには「信頼」を使う
・WHYを共有していくマネジメント
・心理的安全性:お互いの心遣い、配慮や共感

序論で紹介した尾原和啓さんの本「モチベーション革命」を参考にして、上記項目を互いに対話しながら埋めていって下さい。対話するごとに、お互いの考え方が見えてきます

考え方が見えてくれば、その人の頭を借りることが出来ます。「あの人ならどう考えるだろう」と考えてみるのです。いったん自分の考えは横に置いて、他の選択肢を考えてみるのです。その人になり切って考えてみるのです。

こうしてメンバーの数だけ「思考する頭脳」が出来上がります。3人なら9つのアイディア、4人なら16のアイディア、5人なら25のアイディア、つまりメンバーの数の階乗のアイディアが生まれます。これだけの「思考集団」に怖いものはありません。泉の様にアイディアが湧き出ます

最強ですね。

具体的にどうすれば良いのか、分からなければメンター幾朗が伴走します。こちらからご依頼ください。『公共メンター』は、お金を頂きません

その代わり、そこで得た知識やノウハウは、次の人に恩送りしていって下さい。ペイフォーワードの考え方です。1人が2人、2人が4人、4人が16人、こうして6回繰り返すだけで43億人がシアワセになります。お金はかかりません。(詳しくは『公共メンター』を無償で始めることを参照ください)

あなたもこの愛の循環に加わって、ご自身をシアワセにして差し上げてください。


ではでは

三河屋幾朗@mikawaya1960
『公共メンター』https://menta.work/plan/954



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