喫茶店で生まれるランデブー
ランデブーってなんだ。
調べてみた。
ランデブー【rendez-vous】
人とおちあうこと。
特に,恋人どうしが会うこと。 あいびき。
あ、あかん
完全に使い方間違えた。
ランデブーの意味を、私は優雅なひとときくらいに思っていた。
妻がもしこの記事を見たら探偵事務所に駆け込んで毛利小五郎風の親父に、僕の給料1ヶ月分の手取りの収入と同じくらいの額を手渡して何かをお願いすることだろう。
それはお金の無駄遣いになることは分かっている。だって私の周りにはオールバックにするにはあまりにも頼りない髪の長さと量と面積ながら果敢にもオールバックに挑戦しているジェントルメンに囲まれて、カップルシートはおろか、前には壁しか見えない席に座っているのだから。
それなら給料1ヶ月分の手取りの収入をお小遣いとして笑顔で私にくれた方がよほど良い。拾われてきた子犬さながらの従順さで妻についていくというのに。
私は喫茶店が好きだ。
喫茶店で仕事のことやセミナーの構想やイメージをノートに書いていく。
その程度の行為であれば、わざわざお金払ってすることではないと思う人もいるだろう。別に職場でも自宅でもできるだろうと。
正解だ。
別にお金払わずに済むならそれに越したことはない。
でもお金払って時間と空間を買う、っていうオシャレな考えも分からなくないんじゃない?と無駄に気取って上の発言は受け容れないこととする。
類い稀なる問題意識と自己統制能力を持ったあなたになら、きっと自宅であろうと職場であろうと作業ができるはずだ。
僕はもうどうしようもないくらい誘惑に弱い。
ことに自宅なんかでパソコンを開いてスライド作りに励もうとすれば、いつの間にかテレビがついていたりする。
誰がつけたんだ?
子どもか?
妻か?
それともポルターなんとかさん?
いや、オレだ。
もう確実にオレ。だって妻と子ども寝てるんだもん。
いやーやるなぁ。オレ自身気づかなかったよ。意識下でテレビのリモコン探して電源オンのボタン押しちゃうなんて。
そのさりげなさに乾杯
とかもう一人のオレと対話をしているうちに13分余りが経過していたりする。
その後もテレビをつけたがるわがままなもう一人の私を、もう一人のエンジェルコマツが押さえ込んで、やっとこさパソコンに目が向いた最中、次の罠が待っていた。
ゆーちゅーぶなる人類最強の化学兵器だ。
ポチっとすれば、もう見れないものはないんじゃないかと思わせるくらいに何でも出てくる。
つい先日に至っては
「最強!!巨大ヘビvs巨大ワニ」なるテロップが目に飛び込んできた。
エンジェルコマツは何もできずに、デビルコマツが私の右手を動かそうとする。
「やっやめろーーーーーーーやめるんだオレのミギーーー!!!」
と僕はその右手を抑えようと
辛うじて動いた左手を右手に伸ばそうと
するなんてことは全くなく、素直にポチっと押した。
「すげーすげーヘビってすげーな」
と小学生の長男同様、はしゃいでいたら7分経過。
さらにその画面の右下にある「こちらもどうぞ」的な所にあった「ライオンvsゴリラ」的なものまで鑑賞し計16分の時間が過ぎた。
ゆーちゅーぶ。やはり脅威だ。
無料ってゆうのがまたすごい。
せめて映像じゃなくてバックミュージックにしろよ、と読者の声が聞こえてきそうだ。私もそれは重々承知している。
一度喫茶店でWIFIに繋いでそうしたことがある。
はかどった。
そりゃもうはかどった。JUJUありがとう。
とゆーちゅーぶとJUJUに感謝の気持ちを伝えたい気持ちがマックスになろうとした最中
その夢と希望のファンタジーの時間はすぐに終わった。
電池の消耗がこれでもかってくらい激しく30分ほどで僕のパソコンは電源強制OFFという事態に見舞われた。
これが機械が人類を凌駕し始めたきっかけであることは言うまでもない。
結局のところ、自己統制できない奴には自宅であろうと喫茶店であろうと仕事ははかどらないことが証明された。
終わり。