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[連載:VUCA時代の教育デザイン⑤】ミナペルホネン/皆川明 つづく

本当は今回アート思考の本の読書ノートを書くつもりだったのですが、今週日曜日に行った福岡市美術館であってたミナペルホネン「つづく」の展示を見て色々と思ったことがあったので、急遽テーマを変えました。テーマにそくした本題になかなか入らない連載でございます。

ミナペルホネンについて

ミナペルホネンネンは、皆川明氏が設立したファッションブランドです。ブランドのコンセプトは、「流行に左右されず、長年着用できる普遍的な価値を持つ「特別な日常服」らしいです。1995年に、まず、フィンランド語で私という意味の「ミナ」というブランド立ち上げて、その後2003年にミナに、ちょうちょの意味のペルホネンを足して、ミナペルホネンと改名しています。「蝶の羽のような美しいデザインが無数に広がり、羽ばたいていくように」という想いが込められているそうです。

私がミナペルホネンを知ったのは「ほぼ日手帳」のカバーで毎年何種類も採用されていたから。自然をモチーフにした心がほっこりするデザインが魅力的です。ファッションブランドとしてスタートして今はライフスタイルも提案アパレル用のテキスタイルデザインを起点にして、今やインテリアや文具のラインナップでライフスタイルを提案するブランドに成長しています。一緒に行った友人が北欧に何か関係してるんですかね、と素朴な疑問を投げかけて来ましたが、19歳の時にフィンランドに行って以来、毎年訪れているそうです。自然への憧憬とリスペクトが作品から感じられて、見てるだけでとても癒されます。

デザインかアートか

そもそもこの展覧会に行った理由は、ミナペルホネンの作品を直に見たいからでしたが、展覧会に行って、そしてその後に思ったのは、ミナペルホネンの作品はデザインなのかアートなのかということと、デザインとアートっていったいどう違うの?ということでした。後で調べて皆川明氏が毎日新聞主催の「2015毎日デザイン賞」と文化庁発表の「第66回芸術選奨文部科学大臣新人賞」を受賞してると記事で読んで納得できたのです。私が今日見たのはデザインとアートだったんですね。

デザインとアートの境界線

それで、次に出てきたのは、「デザインとアートの違いは何だろう」、「デザイナーとアーチストの仕事の境界線はどこにあるのかな?」といういう素朴な疑問です。どちらもクリエイティブな活動職業というところでは共通しているようです。
ですが、昨日、ミナペルホネンの20年以上の作品を見終わって外に出た時の、心が満たされる感覚、緑が生き生きとして、脳の前頭葉が活性化している感覚、これはアートを見た時のそれではないかと思っています。デザインとアートの違いについてまとめたサイトをいくつか見て思ったのは、デザインとアートは似て非なるものだということです。

アーチストは問題を提起し、デザイナーは問題を解決する。
アーチストは自由に表現し、デザイナーは制限のある中でより優れた結果を出すためのプロセスを模索する。
デザイナーはユーザーのために創作し、アーチストは自分のために創造する。

ところで、今回の展覧会のウェブサイトによると、タイトルの「つづく」には、文字通りミナペルホネンの歴史を紹介する意味もあったようですが、
それだけでなく、「つながる・連なる・手を組む・循環するなど、モノや人が連鎖し何かを生み出していく生成のエネルギーを想起させる言葉」だから選ばれたそうです。

最後に、無理矢理VUCAに繋げてみると、この将来の見通しが悪く予測が不可能な時代に、デザイン思考とその先に行くアート思考が注目を浴びています。今後の記事では、この2つの思考法の教育への活用についても書いていきたいと思っています。


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