1_08_-_コピー

【ニンジャの不労所得】(忍殺TRPG自作ソロシナリオ)

はじめに

これはニンジャスレイヤーTRPGの自作ソロシナリオです。

非ニンジャのクズにブザマに殺されたい」「毒スシにひっかかって苦しみたい」「自分の手でニンジャハンターを誕生させたい」といったサンシタ向けのミッションです。それなりに致死率も高く、適当に生み出した欲深いサンシタをブザマに気軽に爆発四散させるのにもうってつけのシナリオになっています。よろしければ是非遊んでみてください。

◇オープニング◇


お前はネオサイタマを支配する闇のニンジャ組織、ソウカイヤのニンジャだ。とは言っても組織内では最底辺のサンシタで、つまらぬ使い走りばかりやらされてロクな稼ぎも無く、家賃や日々のスシにも事欠く無為な日々を送っている。◆
◆ソウカイヤ傘下ヤクザクランからのミカジメ・フィー徴収という取るに足らぬ使いを終えたお前は、組織へ上納される万札大トロ粉末、それに連絡事項の書かれたマキモノを懐にしまい、ソウカイヤの本拠地であるトコロザワ・ピラーへと帰還するところだった。◆
◆子供の使いめいたつまらぬ仕事と、それに見合った僅かな収入。せっかくニンジャとなったのに、これではマケグミと何も変わらない。何かうまい儲け話でもないかとボンヤリ考えていたお前は、携帯IRC端末のLEDが点滅していることに気づく。ソウカイネットからの連絡だ。◆
◆内容はとあるソウカイニンジャがニンジャスレイヤーに殺害されたとのこと。偶然にもお前はそのニンジャを知っていた(親しくしていたかもしれないし、険悪な間柄であったかもしれないし、単なる同僚であったかもしれない)。ネオサイタマの死神の活動は日々苛烈さを増すばかりだ。明日は我が身かと震えるお前だったが、ふとあることに思い至る。殺害されたニンジャの行っていた個人的集金行為についてだ。◆
◆ソウカイニンジャの中には、業務であるミカジメ・フィー集金とは別に、組織とは無関係な個人的集金行為を行い、不労所得を得ているニンジャが相当数存在する。ソウカイヤ非管轄のマンションや商店などに赴き、言いがかりや暴力でオーナーを脅迫し、定期的にカネを巻き上げるという奥ゆかしいニンジャ搾取行為だ。◆
◆カネの無いサンシタにとっては魅力的な収入源であるのだが、ソウカイヤと無関係で、定期的にまとまったカネを集金できる安定性を持ち、非ソウカイ系ヤクザクランやメガコーポとの繋がりなどといった面倒の無い物件となると、かなり数が絞られる。故にその手の物件に関しては常に競争状態で、いち早く情報を嗅ぎつけたサンシタの早い者勝ちだ。お前は不労所得を得たいと思いながらも今まで機会に恵まれることなく、指をくわえているしかなかった。◆
◆だが、今こそチャンスが巡ってきた。殺害されたニンジャが集金していたマンションへと向かい、オーナーに今後は自分がカネを受け取ることになったと宣言すれば、念願の不労所得を得ることが出来る。そして幸運にも今日は殺害されたニンジャが毎月集金を行っていた日だ。つまり、今向かえばすぐカネにありつける。カネへの執着にケツを蹴り上げられたお前は、欲望に目をギラつかせながら夜のネオサイタマを駆け出した……◆

◆本編開始な◆

◆君はニンジャ脚力を駆使し、目標のマンションへと急ぐ。ノンビリしてはいられない。ソウカイネットを見たニンジャの中には、君と同じ考えに至ったサンシタもいるはずだ。せっかく掴んだ不労所得チャンスを逃すわけにはいかない。◆
◆車道を飛び越え、路地裏を抜け、道行くモータルをすり抜けながら(あるいは跳ね飛ばしながら)急ぐ君だったが、突如!「ザッケンナコラーッ!」けたたましい合成ヤクザ音声クラクションを響かせ、巨大なウキヨエ・トレーラーが弾丸的な速度で君に向かって突っ込んできた!◆
◆ネオサイタマの暗黒トレーラー業者は過酷なノルマを負わされて精神を磨耗しきっており、進行方向に人間が存在する程度のことではスピードを落とさない!このままでは合法的轢殺されてしまう!回避するしかない!◆
【カラテ】、【ニューロン】、【ワザマエ】の中で一番高い値の数を選び、その数だけダイスを振って『回避判定』を行おう。今回の回避難易度はNORMAL、つまり出目4以上だ。出た目の中に4以上の目が一つでもあれば回避成功。そうでなければ2ダメージを受けて【体力】を2失う。今回は体力が0になった時点で爆発四散、ゲームオーバーになるぞ。◆
◆なお、回避する自信が無ければ精神集中を使うのもいいだろう。要求される出目が6以下の場合、ダイスを振る前に【精神力】を1消費することで、その判定を自動的に成功させることできる。ただし、【精神力】はジツの発動にも必要な上、マイナスになると爆発四散するので注意が必要だ(ちょうど0は大丈夫)。◆
◆「イヤーッ!」【カラテ】、【ニューロン】、【ワザマエ】のいずれかの値でダイスを振り、4以上の目を一つでも出せた君は、暴走トレーラーを回避することに成功!「アイエエエ!?ニンジャナンデ!?」君の人間離れした回避行動を見たトレーラー運転手はNRSを起こしてハンドル操作を誤り……KLAAAAASH!前方のビルに突っ込んで大惨事!だが君には特に関係無いので先を急ごう!◆
◆「グワーッ!」【カラテ】、【ニューロン】、【ワザマエ】のいずれかの値でダイスを振り、4以上の目を一つも出せなかった君は回避失敗だ。「グワーッ!」トレーラーに跳ね飛ばされ、地面に叩きつけられてしまった。君は【体力】を2失う。まだ生きているならば体を起こせ。この痛みを不労所得による充足感で和らげるべく、君は再び走り出した。◆

◇◆◇◆◇

◆目標へと急ぐ君は、自身の後方にぴったりと付いてくるニンジャ存在感に思わず振り返る。見れば同じソウカイヤのニンジャ…まず間違いなく君と同じ目的の、死人の不労所得にありつこうとするハゲタカじみたサンシタだ。サンシタは君の視線に気づかぬフリをしながらこちらを追走してくる。追い抜く機会を狙っているのだろう。負けるわけにはいかない。君はスピードを上げて引き離しを狙う。◆
◆サンシタと君のニンジャ脚力は恐らく互角。このまま何も無ければ逃げ切れる……そう思っていた矢先!「ペケロッパ!ペケロッパ!」突然曲がり角からサイバー神輿を担いだペケロッパ・カルトのデモ隊が姿を現した!◆
◆このまま直進すれば激突。さりとて止まってはサンシタに追い抜かれる。君はニューロンをフル稼働させてこの障害物を切り抜ける策を瞬時に弾き出した。◆
◆君の出した策とは?

1:【カラテ】でサイバー神輿を粉砕突破(目標出目4以上)
2:【ワザマエ】でデモ隊の足元をスライディング突破(目標出目5以上)
3:【ニューロン】で電撃的ジャンプ、飛び越え突破(目標出目4以上)
4:障害物排除を装い、ペケロッパを後方のサンシタに向かって投擲(自動成功、【DKK】を1獲得)

◆1~3いずれかの選択肢で目標出目以上の数値を出せた、もしくは4を選んだ君は突破に成功!「ヌゥーッ!?」「ペケロッパ!」ピタリと君の後方に追走してきたサンシタはペケロッパの群れにぶつかり(もしくは君の投擲したペケロッパが直撃し)足止めを食らう。ほんの数秒ではあるが、ニンジャにとっては致命的な遅れだ!君はサンシタの悔しげな視線を背に受けて颯爽とマンションへと向かった!◆
◆1~3いずれかの選択肢で目標出目以上の数値を出せなかった君は突破に失敗。「ヌゥーッ!?」「ペケロッパ!」ペケロッパの群れに激突し、体勢を立て直そうともがく君を、追走してきたサンシタが悠然と飛び越えた。ほんの数秒の間に、君とサンシタの距離はもはや取り戻せないほどの差になっていた。これはもう巻き返せまい。君は不労所得を諦め、肩を落として(もしくは腹いせとしてペケロッパにカラテを叩き込んで)帰路についた。【ゲームオーバー】◆

◇◆◇◆◇

◆数々の苦難を乗り越え、君はついに目標のマンションまで辿り着いた。他にニンジャの気配は無し。君は見事一番乗りに成功したのだ。これで不労所得は君のものだ!◆
◆君は意気揚々とマンション最上階に建つオーナー邸宅へと向かう。だが、その途中でIRC端末に通知。画面に目をやった君の足が思わず止まる。「哨戒任務中のシックスゲイツがニンジャスレイヤーに強襲され負傷、そのまま交戦状態に入った。支援に向かえるニンジャは現地に急行せよ」……とのことだ。◆
◆位置情報を確認すると、場所はここから目と鼻の先だ。君がソウカイニンジャとしての役目を全うするなら、今すぐシックスゲイツの支援に向かうべきだろう。だがその場合、すぐにも駆けつけるであろう他のサンシタに、せっかく勝ち取った不労所得をみすみす手渡すことになってしまう……◆
◆君はどうする?

▶︎シックスゲイツの支援に向かう。
▶︎IRC端末を破壊し、何も見なかったことにする。


▶︎シックスゲイツの支援に向かう。

◆君は不労所得よりもソウカイニンジャとしての役割を重んじた。踵を返して現地に急行した君は、手負いのシックスゲイツの撤退を支援。必死のカラテと幸運により、シックスゲイツ共々ネオサイタマの死神の魔手から逃れることに成功した!◆
◆トコロザワ・ピラーに帰還した君は、シックスゲイツと共にニンジャスレイヤーと戦い、生き延びたニンジャとしてサンシタ界隈で名を上げることになった(【名声】+2)。さらに共闘したシックスゲイツとの繋がりもできた。これはケチな不労所得よりも余程大きな財産となるに違いない。君のソウカイニンジャとしての未来は明るい!【終】◆
▶︎IRC端末を破壊し、何も見なかったことにする。

◆君は自身の利益を優先し、支援要請を見なかったことにした。「イヤーッ!」君はIRC端末を地面に叩きつけて破壊。ソウカイネットからの通知に気づくことが不可能だったというアリバイ工作を完了させた君は、心置きなく集金行為へと向かった。◆

◇◆◇◆◇

◆君は最上階に建つオーナー宅へと辿り着いた。小ぢんまりとしているが、見る者にワビサビとゼンを感じさせる奥ゆかしい家だ。前面の庭は小さいながらも手入れが行き届いており、古びたシュラインと青銅製のブッダ像も置かれている。いかにも小金を貯め込んだ老人の好みそうなアトモスフィアだ。これは集金額にも期待が持てるかもしれない……◆
◆「ドーモ」君は庭に面したフスマを開け、オーナーと思しき老人にアイサツをする。「ド、ドーモ……アイエッ!?ニンジャ!?」今まで集金に来ていたニンジャではなく君が来たことに困惑するオーナーに対し、君は今後自分が集金を担当することを伝えた。「アイエエエ……わ、わかりました……」オーナーは君のニンジャ存在感に震えながらも了承する。◆
◆「で、では今すぐ用意をしますので、その間スシでも……」見れば、チャブの上には丸い漆塗りの重箱。そこには真っ赤なルビーのような、上等なイクラ・スシのグンカン巻きがぎっしりと詰まっている。どうやら、殺害されたニンジャは集金した上に高価なオーガニックスシまで要求していたらしい。◆
◆普段ロクなスシを食べていない君は思わず手を伸ばす。その君の様子を、オーナーが怯えたような不安な目で見つめていた。君はその視線に、かすかな違和感を感じとった……ここで【ニューロン】判定を行おう。難易度はU-HARD(出目6以上必要)だ。◆
出目6以上を出せた君のニンジャ第六感は危険を感じ取ることに成功。イクラ・スシを手にとってニンジャ嗅覚を働かせると、オーガニック・イクラの香りに混じり、かすかに危険なケミカル臭が感じ取れた。眉をひそめた君を見て、オーナーは顔を真っ青にしてガタガタと震え始める……どうやら、毒スシを食べさせられるところだったようだ。君はジロリとオーナーを睨みつける……◆
出目6以上を出せなかった君は、違和感を気にすることなくイクラ・スシを二貫掴み、一度に口に放り込んだ。咀嚼すると、上等なオーガニック・イクラのウマミが口いっぱいに広がる……ことは無かった。代わりに凶悪なケミカル味が舌を焼き、腕を、脚を、体中を痺れさせる。これは明らかに麻痺毒の症状!君が食べたのは毒スシだったのだ!君は全身から脂汗を流して膝を突いてしまいながらも、卑劣な罠を仕掛けたオーナーをニンジャ眼力で睨みつける……!◆

◇◆◇◆◇

◆「アイエエエ!スミマセン!これは脅されて仕方なく……!」君に睨みつけられたオーナーは失禁しながらドゲザ!君はインタビューを行うべく、毒スシの詰まった重箱を手にオーナーに詰め寄る……だがその時!「イヤーッ!」カラテシャウトが響き渡り、部屋の隅のコケシ箪笥が乱暴に蹴り開けられた!◆
◆コケシ箪笥から現れたのは、赤黒の装束に身を包んだ男。顔を覆う黒鋼のメンポには、装束と同じ血のような色で「忍」「殺」と書かれていた。◆
◆君はその姿を見て戦慄する。ネオサイタマ広しと言えど、この特徴的な風貌を持つ存在はただ一人。ソウカイニンジャを次々に殺戮していく狂人!ネオサイタマの死神!そう、ニンジャスレイヤーだ!◆
◆ニンジャスレイヤーは両手を振り上げる。その手には数多のソウカイニンジャを屠ってきた恐るべきスリケン……ではなく、何故か違法改造拳銃が握られていた!「死ね!ニンジャ!クズ!ニンジャのクズめ!死ねーッ!」BLAMBLAMBLAM!弾丸がバラ撒かれる!「アバーッ!」流れ弾を受けてオーナーが即死何か妙だがとにかく回避せよ!◆
◆二丁拳銃による連続射撃だ!回避難易度はNORMAL(出目4以上必要)!回避ダイスを二回に分けて回避しよう!ダメージは一撃につき1、両方命中すれば2ダメージだ!ただし、前の判定で失敗して毒スシを食べてしまった場合、回避難易度がHARD(出目5以上必要)になる上に回避ダイスが-2されてしまうぞ!◆
◆例えば君の回避ダイスが6個あるなら、3個と3個に分けたり、もしくは1個を精神集中で使って残り5個を使ったり、あるいはあえて回避ダイスを使わずに一発を受け、残る6個で全力回避する、などの方法がある。精神集中は1フェイズ中に1度きりなので、両方を精神集中で回避することはできないぞ!◆
◆「イヤーッ!」弾丸を回避、もしくは命中しながらも生き残った君は反撃のカラテをニンジャスレイヤーに叩き込む!「グワーッ!何の抵抗も受けず、アッサリとカラテは命中!防御姿勢すら取れず、体をくの字に曲げてブザマに家の外まで吹き飛んでいくニンジャスレイヤー!……ニンジャスレイヤー?本当に?
◆ニンジャスレイヤーに……シックスゲイツを何人も屠ったネオサイタマの死神に、君のようなサンシタのカラテが通用するだろうか?そしてスリケンでもカラテでもなく、違法改造拳銃を使ったアンブッシュ。さらに防御姿勢もウケミも取れない貧弱なカラテ。君は気づく。あの男はニンジャスレイヤーではない。そしてニンジャですらない。ニンジャスレイヤーの格好をした非ニンジャ……ただのモータルだ。
◆恐らく、オーナーがニンジャに脅迫されていることを知ったあの男が、オーナーと共謀して毒スシを仕掛けてニンジャを暗殺しようとした……だが何故、あの男はニンジャスレイヤーの格好をしていた?そもそもどうして非ニンジャ風情がニンジャスレイヤーの存在を知っている?君は考えを巡らせる。いずれにせよ、なんらかの形でネオサイタマの死神との繋がりを持っているに違いない。◆
◆そこで君は閃く。あの男を捕まえてインタビューすれば、死神の正体に繋がる情報を得られるかもしれない。そしてニンジャスレイヤーの正体を掴めば、ソウカイヤ首領ラオモト・カンからボーナスが出ることは間違いない!君は不労所得のことも忘れ、家の外に吹き飛んだ男を追った!◆

◇◆◇◆◇

◆家の外に飛び出したが、男の姿は見えない。だが、よく見ると庭に立つ青銅ブッダ像にロープがくくりつけられていた。ロープの先を辿ると、そこにはロープを掴んでマンションの壁を蹴りながら降りていく男の姿が!君は急いで後を追う!◆
◆君が地上に降り立つと同時に、男は用意してあったと思しきオートバイに飛び乗りエンジンをかけた。逃がすまいと駆け出す君だったが、その時!「グワーッ!」いきなり君の目の前に傷ついたニンジャが吹き飛んできた!◆
◆「ヌゥーッ……」ニンジャは苦しげに呻きながらも身を起こす。その姿を見た君は、このニンジャが先ほどIRCで通知された哨戒任務中にニンジャスレイヤーに強襲されたシックスゲイツであることに気づく。そして、このシックスゲイツが吹き飛んできたということは……「ドーモ」◆
◆君の目の前に現れたのは、血のような赤黒い装束のニンジャ。顔を覆うメンポには、恐怖を煽る字体で刻まれた「忍」「殺」のカンジ。全身から発せられるカラテと殺意。君は即座に理解してしまう。このニンジャは本物の……「ニンジャスレイヤーです」……ネオサイタマの死神だ!「ドーモ」君はアイサツを返し、ニューロンをフル回転させて必死に状況判断する……◆
手負いのシックスゲイツが体勢を立て直すまで、恐らくあと数秒が必要だ。君がカラテで立ち向かい、その数秒を稼げば、立て直したシックスゲイツと2対1の状況に持ち込める。時間を稼げば通知を受けた他のニンジャも到着し、ニンジャスレイヤーを囲んで棒で叩けるかもしれない……◆
◆だが、ネオサイタマの死神が君の如きサンシタの処理に1秒以上かかるだろうか?血も涙も無いカラテをコンマ数秒で叩きこまれ、時間稼ぎも出来ないまま爆発四散する……その可能性は十分に高いと言えるだろう。
◆それならいっそ、君がシックスゲイツを見捨てて逃げればどうだろうか?ニンジャスレイヤーは恐らく、君のようないつでも殺せるサンシタよりも、強力なニンジャであるシックスゲイツの殺害を優先するはずだ。◆
◆体勢を立て直す間も無くカラテを叩き込まれたシックスゲイツは、間違いなく爆発四散するだろう。だが、君はその間に逃げ、生き延びることができる。弱者はキリステするのがソウカイヤの美徳。ブザマを晒したシックスゲイツを見捨てたところで君を咎められる者はいない……◆
◆君はどうする?

▶︎シックスゲイツのために時間を稼ぐべく、死神にカラテを挑む。
▶︎シックスゲイツを見捨てて全力で逃げる。

▶︎シックスゲイツのために時間を稼ぐべく、死神にカラテを挑む。

◆君は決断的に手負いのシックスゲイツの前に立ち、覚悟のカラテをイヤーッ!」「グワーッ!構えるヒマも無くニンジャスレイヤーのトビゲリが命中!君は薄汚い路地裏まで吹き飛んで壁に激突!「グワーッ!」衝撃で手足が妙な方向に折れ曲がり、内臓にも重篤なダメージ!◆
◆「アバッ……」君はずるずると壁からずり落ち、その下にあったゴミ集積場へと崩れ落ちた。ひどい悪臭を放つ生ゴミ山のベッドが、発酵熱で温かく君を迎えた。ネオサイタマの死神は死に掛けている君をカイシャクするべく、トドメのスリケンを投げようとしている……◆
◆だが!「イヤーッ!」君がブザマに吹き飛んでいる間に体勢を立て直したシックスゲイツがニンジャスレイヤーにスリケンを投擲!「イヤーッ!」これをブリッジで避けたニンジャスレイヤーは、再びシックスゲイツと睨み合う。「イヤーッ!」「イヤーッ!」両者は激しくカラテしながら移動し、徐々にこの場から離れていく……◆
◆どうやらニンジャスレイヤーはツー・ラビッツ・ノー・ラビットの教えに従い、いつでも殺せるサンシタの君よりも手負いのシックスゲイツを優先したようだ。激痛で動くこともままならず、意識を保つことで精一杯だが、とにかく君はネオサイタマの死神から、とりあえずは生き延びることに成功した。◆
▶︎シックスゲイツを見捨てて全力で逃げる。

◆君は「死んだら終わり」というコトワザに従い、ニンジャスレイヤーに背を向けて全力で逃走!これで死神が動けないシックスゲイツを爆発四散させている間に逃げ切れイヤーッ!」「グワーッ!?無防備な君の背中にニンジャスレイヤーの情け容赦無いトビゲリが痛烈に突き刺さった!君は薄汚い路地裏まで吹き飛んで顔面から壁に叩きつけられる!「グワーッ!」衝撃で手足が妙な方向に折れ曲がり、鼻骨は砕け頭蓋骨にヒビが入り、内臓にも重篤なダメージ!◆
◆「アバッ……」君はずるずると壁からずり落ち、その下にあったゴミ集積場へと崩れ落ちた。ひどい悪臭を放つ生ゴミ山のベッドが、発酵熱で温かく君を迎えた。ネオサイタマの死神は死に掛けている君をカイシャクするべく、トドメのスリケンを投げようとしている……◆
◆だが!「イヤーッ!」君がブザマに吹き飛んでいた間に体勢を立て直したシックスゲイツがニンジャスレイヤーにスリケンを投擲!「イヤーッ!」これをブリッジで避けたニンジャスレイヤーは、再びシックスゲイツと睨み合う。「イヤーッ!」「イヤーッ!」両者は激しくカラテしながら移動し、徐々にこの場から離れていく……◆
◆どうやらニンジャスレイヤーはツー・ラビッツ・ノー・ラビットの教えに従い、いつでも殺せるサンシタの君よりも手負いのシックスゲイツを優先したようだ。ヒビの入った頭蓋骨から脳味噌がジワジワ漏れ出さんばかりで、一瞬でも気を抜けば即座に爆発四散しそうだが、とにかく君はネオサイタマの死神から、とりあえずは生き延びることに成功した。◆

◇◆◇◆◇

◆「アバッ……」君は生ゴミの上でインセクトめいて蠢く。重傷だ。一歩も動けない。ソウカイヤに救援を頼もうと震える手でIRC端末をまさぐるが、先ほど自分が叩き壊した端末は当然ながら何も反応しない。完全なインガオホーだ。◆
◆こうなれば自身のニンジャ回復力に頼るしかない。何とか動けるようになるまでこのままじっとして、通行人やスシ・デリバリーからスシを奪う。スシさえ食べれば何とかなるはずだ。今はただ待つしか……◆
◆「……ニン……ジャ?」◆
◆かすかに聞こえた呟きにビクリと体を震わせ、君は必死の力を振り絞って僅かに顔を上げる。「不如帰」のネオンカンバンから火花が散り、闇の中からこちらを見つめる一人の男と、その手に握られた銀色に輝くリボルバーをほんの一瞬照らし出した。◆
◆「ニンジャの格好なんかして、何してんだ。落っこちたのか?」男はリボルバーを手にしたまま君に近寄ってくる。君は自分が絶体絶命の危機であることに気づく。恐らくあの男は路上強盗の類。マトモに動くこともできない泥酔者や浮浪者を狙い、殺し、カネを奪う。ネオサイタマには一山いくらで存在する安いヨタモノ犯罪者だ。◆
◆あの男の目には今の君がこう映っていることだろう。「ニンジャの格好をした狂人が、窓から落ちて死に掛けている」……ハイエナめいたスカベンジャーにとって、これほど容易い獲物はいまい。半神に等しい存在のニンジャである君は今や、非ニンジャの底辺犯罪者の絶好のカモなのだ。◆
◆男はゆっくりと近づいてくる。手にした銀色のリボルバーが不吉に輝く。このままでは非ニンジャ、しかも最底辺のクズの手にかかって爆発四散させられてしまう。死の運命を避けるには、先にあの男を殺すしかない。◆
◆君はほんの僅かに残ったカラテを振り絞る。もはやスリケンを生成することもままならない(もしくはそもそも生成できない)君は、懐に忍ばせておいたソウカイヤの支給品スリケンを震える指で掴んだ……◆
【ワザマエ】でスリケンを投擲し、男を殺して生き延びろ。だが君の腕は折れ曲がり、視界もぼやけ、タタミ数枚先の距離にある男を狙うことすら困難だ。難易度はU-HARD2(出目6が二つ以上必要)。さらに、「▶︎シックスゲイツを見捨てて全力で逃げる。」を選択していた場合、重篤なダメージのために難易度がU-HARD3(出目6が三つ以上必要)へと上昇する。◆
出目6を二つ以上、もしくは三つ以上出せた君のスリケンは、見事に男の眉間へと命中した!「アバーッ!」即死し、地面に転がる男の姿を見た君は、今度こそ精根尽き果てて腕を下ろす。その指が何か柔らかいものに触れた。君はニンジャ触覚でその正体に気づく。スシだ。廃棄され、腐りかけ、異臭を放っているが、まぎれもなくスシ……それも回復量の高いマグロ・スシだ。
◆君は震える指で腐ったスシを掴み、バイオドブネズミですら顔を背けるシロモノを口に入れ、咀嚼した。こみあげてくる嘔吐感を必死で抑えつけ、喉に送り込む……数分後、君はヨロヨロと生ゴミ山の上に体を起こすことに成功した。腐りかけのマグロ・スシで命を繋いだ君は、とにかくソウカイヤに連絡を取れる場所まで移動するため、折れた脚を引きずりながら歩き始めた。◆
◆君は額からスリケンを生やして死んでいる男を見下ろす。いかにもパッとしない、最底辺のマケグミめいたヨタモノだ。君が苦労して身を屈め、手にしていた銀色のリボルバーを奪い取ると、そこには何の価値もない死体だけが残された。(銀色のリボルバーを入手)◆
【万札:5】:銀色のリボルバー:遠隔武器、拳銃、ダメージ1
◆……その後、君はどうにか安全な場所までたどり着き、ソウカイヤの救援によって一命を取り留めた。君が療養している間にあのマンションの不労所得権は他のサンシタに奪われ、ニンジャスレイヤーの格好をした非ニンジャの話も「ニンジャスレイヤーに受けたダメージでニューロンが損傷し、記憶が混濁しているのだろう」とマトモに取り合ってもらえなかった。あの時に助けようとした(あるいは見捨てた)シックスゲイツからも何の音沙汰も無しだ。君は何も得られず、相変わらずカネもカラテも無いサンシタのままだ。◆
◆だが、それでもまだ君の命は残っている。それも、ネオサイタマの死神のカラテから生き延びた命が。君は灰色のメガロシティを今日も駆けてゆく【】。
出目6を二つ以上、もしくは三つ以上出せなかった君のスリケンは、男の頬をかすめ、血の線を残してから、横手の壁に数センチ突き刺さった。君はスリケンを外してしまったのだ。「アイエエエ!」BLAM!男は悲鳴を上げ、手にした銃の引き金を引いた。◆
◆「グワーッ!」銃弾が君の腹部に埋まり、ニンジャスレイヤーによってシェイクされた内臓をさらに深く傷つけた。君は死に物狂いになり、さらに一枚スリケンを投げたが、ヤバレカバレの悪あがきにも等しいそれは見当違いの方向に飛びネオンに突き刺さった。◆
◆「アイエエエエエエ!アイエエエエエエ!」男は腰を抜かして座り込み、続けて三発撃った。上の住人が装甲窓を閉めた。最後の一発が君の額に突き刺さった。◆
◆「グワーッ!」銃弾は君の頭蓋骨を貫通し、脳を破壊した。致命傷だ。君は男を見る。座り込み、失禁し、弾切れになった銀色のリボルバーの引き金を必死に引いている。どこからどう見ても、カネもカラテも未来への希望も何も無いマケグミだ。ネオサイタマの最底辺を蠢くムシケラめいたクズだ。半神にも等しい存在のニンジャである君は、そのクズに殺されるのだ。
◆君は白目を剥いて崩れ、倒れたポリバケツの中に頭を突っ込み爆発四散した。「サヨナラ!」【】◆

◆本編終了な◆


お疲れ様でした!今回のシナリオはこれにて終了です。あなたのニンジャは無事にニンジャハンターを誕生させられたでしょうか?それでは、またいつか!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?