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映像用に音を作る -音の知識編-

映像に関してマニアックなネタを記載しているのだが、今回は効果音をTikTokやら日本内外で販売している筆者が ”音” に関して伝えて行こうかと思う。

音は音楽はもちろんのこと、映像、ウェブサイト、ゲーム、アニメ、VRやイベントなど様々な業界で必要とされているにも関わらず映画の感想で「音が良かった」とは聞かないほど”いかに当たり前にするか”が重要な要素である。

さらに個人クリエイターでも音に関して上級とは言わずとも中級レベルのクオリティが求められる昨今なのでその基本について学んでいこう。

音楽制作フロー

まずは音楽や楽曲を制作していくためのステップを紹介していくが、基本的に効果音を作るときも流れはほとんど同じなので参考にしてみよう。

1,プリプロダクション(プリプロ)

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ここでは企画や構成を決める。生音でリアリティのある音を作っても良いが期待通りの音ができない場合は再収録となるのでMIDIという規格でそれぞれの音を個別に収録してあとで編集するかなどを決めていく。

2,レコーディング

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レコーディングは料理でいう食材調達だ。録音環境やマイク、アウトボードなどの機材を選定して音を収録していく。また、MIDIを使った打ち込みなどもここで行うがその場合は録音環境や演奏者はあまり気にしなくて良くなる。

3,編集

料理で言えば下ごしらえだ。ノイズを除去したりピッチなどを修正しながら音を整えていく。場合によって修正が効かない場合は取り直しもあるが、MIDIの場合は打ち込み通りの音が手に入るため修正は少なくなる。

4,ミックスダウン(トラックダウン

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料理で言えば調理だ。複数の音を混ぜ合わせる段階で映像の世界ではMA(Multi Audio)と呼ばれる。個別の音のチェックはもちろんだが、ステレオの場合右と左のどちらからどの音を出すのかを決めたりもする。

5,マスタリング

制作の最終段階だ。それぞれの音をどのくらいの音圧にするかや音質をどうするかなどバランスを考えながら決めていく。プレイヤーを考えるなら再生ボタンを押してどのくらいで音が流れるかなども考える。

ではマスタリングや編集の段階で何を意識すれば良いのかを知るために最後に音の基本の音色の3軸を学んでから今回は終わるとしよう。

音色の3軸

音を計測するには次の3つの軸で計測される事が多いのでまずは基本として知っておこう。

1、音の高さ(周波数 Hz)

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周波数は1秒間に振幅する音波の事だが、振幅数が高いほど高音で低いほど低音になる。単位はHz(ヘルツ)で、人間の耳は20Hz 〜 20kHz まで聴き取れる(可聴域)。

2、音の大きさ

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音の大きさを表す単位はdB(デシベル)だが一般的には0dB 〜 120dB で表現される。

3、音色

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同じ「ド」の音でもピアノとバイオリンでは全く音が違うが、これが音色の違いだ。音は基準となる基音と、基音の周辺で鳴る倍音(上音)の組み合わせでできており、この組み合わせの違いが音色の違いになる。

まとめ

正直今回の知識が直接的に作業に役立つわけではないが、知らないよりも知っておいた方が音を扱う上ではいいだろう。意外と映像と共通する部分もあるし、映像を作る際にも見た目を気にしても音はあまり気にしない事もあると思うので少しでも音に対する意識を高めてみてはいかがだろうか。

という事でこれから実際に音の作り方などもnoteで紹介できたらと思う。

豆知識: ハウリング

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学校の放送やイベント会場でスピーカーから「キーン」と言う甲高い音が鳴り響き耳を塞いだことのある人も多いかと思う。これを「ハウリング」とか現場では「ハウる」とか呼んだりするが、これも音の性質が関係している。

音は秒速340mで進むのだが、マイクから入力された音がスピーカーで出力されてさらにマイクから入力されるループが発生することでハウリングが発生する。

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