天空の標 第五十話(最終話)
「国事史
月海暦 千四百九十八年 盛秋新月。
天の標が失われ、蛮族、城内に厄をもたらす。
海より炎立ち昇り、王都災禍に見舞われし。
国の主、いにしえの祖に倣いて、石に四方を尋ねん。
天の球と国の宝、天空の理を識らしめたり。
時の標失いし友の国、止水、人を惑わす。
主の住まいに、我が国の至宝投じられし。
都を潤す大河、海の命と輝きに、己が道の導きを得る。
時の音とともに、止まりし流れ解き放たれたり。
両国の宝、再び標を示して迷うところなし。
かくして海の民と森の民、その友誼新たに誓いたる」
完
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