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NFTはたぶん、しばらくはフェアな世界。

アナログ大好きな「万年筆画家」までNFTのような虚像に手を出すのか?といった声が聞こえてきそうですが、デジタル作画歴はもう四半世紀になるし、市場としても一時のバブルは弾けて、むしろここから健全な市場として育っていくのだろう、そんな場に参入を決意したので、また一つサトウが新しいことをはじめたよ、くらいに受け止めてもらえたら嬉しいです。

こちらが、10月13日(木)20時より発売予定のコレクション「縁起モノ」シリーズになります。
Have a little luck! engi-mono collection

コレクションのカバーイメージ

ロゴマークのデザイン通り、お守りをベースに縁起物と人物を掛け合わせたNFTで、プロフィールイメージとしてもご活用いただける作りになっています。コレクションを見る分には普通のギャラリーと同じなので、よかったら覗いてみてください。

NFTとは?はさておき、何がフェアなの?

ここ数週間、どっぷりとブログ、Twitter、Youtubeなどなど情報収集に浸りまして、僕なりに腑に落ちるところまで考えをまとめたんですよ。読むだけじゃわからないから、実際に試作品を何枚も描いて、売れてる作品、売れてない作品、アプローチの方法、宣伝の方法、購買層の考え方とか…とにかくビジネスモデルがわかんないと見当違いな活動になっちゃいますから。

結論を先に言ってしまうと、ビジネスモデル自体は現実世界の商売とそこまで変わらない、理解のできるものなのだろう、ということです。感覚としては、同じ絵描きでも画家業をしている方には馴染みが深く、イラストレーターをしている方には色々と新しい挑戦が必要、という印象でした。

画家のビジネスモデルと似ている点は

2022年4月 サトウヒロシ個展風景

一枚絵を販売して生業とする画家は、画廊で個展などで作品を発表し、バイヤーに購入してもらうわけです。絵の価格は作品の魅力と実績に加えて、将来性が問われます。その画家が活動を続けていくことで、絵の価格が上がるだろう、という期待値が購買動機になるからですね。いわゆる投資が成立するかどうかを評価されるわけです。価格が上がれば上がるほど、投資家を意識して画家も活動にさまざまなものが求められていきます。

NFTのモデルは原則として同じ構造をしています。取り扱う通貨が円なのか仮想通貨なのか、そのくらいの違いです。(細かいことは割愛しますね)

イラストレーターにとっての挑戦要素とは?

原則がクライアントワークを生業とする多くのイラストレーターにとって、ゴール地点が見えない制作そのものがまずはハードルになると思います。加えて、自分で作品に値段をつけていく違和感や、作業分の報酬が発生するわけではない世界観にも慣れが必要でしょう。未来のオーナー(投資家)を自分で探していくプロセスもきっと初めて経験される方多いはず。

ただ、現状のNFT市場で高い売上を実現している作品は、いわゆる画家のユニークなタッチではなく、親しみやすいイラストレーターのタッチの方が圧倒的に多数ですから画家かイラストレーターかという部分に優劣を決めるような何かがあるわけではないと思います。

NFTがフェアな世界に見えるワケ

先にも触れた通り、画家のビジネスモデルとNFTアートのモデルはとても似ています。画家の場合、コンペや個展などで自身の作品の価値を高めていく活動をしつつ、画廊や投資家たちとのコミュニティとしっかり繋がって「次の新作から少しずつ価格を上げて」収入を増やしていくわけです。人と人の繋がりがとても大切です。どこの美大出身か、誰の弟子なのかといった要素も大きく関わってきます。原則として、10年後も活動を続けていることを想定したビジネスになりますから、画家であり続けるだけでもスゴイことですね。

一方でNFTはまずその時間がとても短いのです。株式相場のような投資家たちのスピード感で作品の価値が変動します。一見数字だけを追うような虚業に見えてしまう仮想通貨とアートの組み合わせ。でも投資家たちはクリエイター側が想像する以上にしっかりと作品と作家を見て評価していることは忘れてはいけません。ただ、彼らが見るのは学閥でもなければコンペでの入賞実績でもありません。近い未来、その作品の価値が上がることを期待できるかどうか、ですね。

その判断をするために、彼らは作家のウェブサイトもSNSもYouTubeも見ます。画家が10年後も活動しているかどうか品定めをされるのと同じように、本気で活動をしているのかどうか見定めるわけです。購入した作品の作家が、一ヶ月後に活動をやめてしまえば価値がなくなってしまうからです。

ポイントは、学閥も組織も年齢も関係なく、作品や現在の活動で評価してもらえて値段がつくということ。これって、フェアな感じしませんか?もちろん、売れるか売れないかは、わかりません。そこは作品と今後の僕の活動次第ですから。それでもバックグラウンドを問わずに現在の活動で勝負ができる、それだけで僕は嬉しいのです。

同じ文脈で希望があるって素晴らしい

あくまで僕がこれまで調べた限りですが、NFTアートには「これが定石」といえるほどの正解ルートはありません。一旦バブルが弾けて市場としては低迷ムードですし、むしろ社会の注目を集めたここからが本番なのだと思います。新しい成功モデルがこれから沢山生まれてくる一方で、バブル期のモデルのように、片手間で落書きをアップして偶然高額で売れてしまうような世界でなくなることは間違いないでしょう。シビアになりますねぇ。

それでも、ですよ。それが普通ですよね。

シビアな世界はリアル画家活動も同じです。正解ルートがない分だけ本当の意味でアーティストとしての活動ができるのではないか?とも思うわけです。毎回色々考えて、試して、色々やりつつとにかく描く。普通です。健全です。なんと素晴らしい。

OpenSea上のコレクション画面

まぁ、きっと簡単には売れないでしょうし、やってみないとわからないことだらけです。でも、だからこそ画家業は面白い。

このマガジンでは、その道中で考えたことをお伝えしていこうと思います。あ、NFTの攻略記事を書くつもりはないのでご容赦くださいませ。沢山あるし、それはベテランの方々の方が正確に解説されているので。


改めまして、NFT販売のご案内。

明日、10月13日(木)20時より発売予定のコレクション「縁起モノ」シリーズになります。新作10点、本当に初物です。売れるかもしれないし、売れないかもしれない(笑)まずはやってみないとね。どうか、暖かく応援していただけましたら幸いです。
Have a little luck! engi-mono collection

コレクションのカバーイメージ



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