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「たくさん描く」の本当の意味

どうすれば絵が上達するのか、という質問に対して多くのベテランは「とにかくたくさん描きなさい」というだろうし、一言でアドバイスするならば、それしかない、と僕も思う。

ただ、ここには大きな落とし穴がひとつありましてね。
ベテランやプロが考える「たくさん描く」と、多くの質問者が考える「たくさん描く」にはとても差があります。

例えば、普段気が向いた時に絵を描くくらいの方々にとって、10枚絵を描くことは大きなエネルギーが必要です。だから、「たくさん描く」と聞いていイメージできるのって100枚くらいじゃないでしょうか。100枚って積み上がった作品を見たら結構ボリュームありますよね。

じゃあ、「100枚描いたら上達しますか?」と問われたときにボクならどう答えるか、、、と考えます。たぶん「上達する人は枚数なんて数えられないほど描いちゃいます」と答えます。


「上達する人は枚数なんて数えられないほど描いちゃいます」

というのは、質問者が趣味で描かれている場合「楽しいから勝手に枚数が増えますよね」という意味合いになります。もちろん、描いた枚数の分だけ上達します。

一方で、質問者がプロを目指すなど、本気で描いている場合なら少しニュアンスが変わりましてね、「100枚程度じゃ全然足らないよ」という意味になります。でも、じゃあ1,000枚描いたら良いのか、10,000枚描いたら良いのか、と言われれば「そういう問題じゃない」のです。誰だってそんな数字を突きつけられれば心が折れるし、苦行でしかありません。

だから「描くことが当たり前の人になること」というのがアドバイスとしては適切なのかな、と思います。

すると勝手に枚数が積み上がっていきます。イメージとしては、ドラゴンボールで悟空と悟飯が精神と時の部屋に入って、スーパーサイヤ人のまま普通に生活をする、という修行をしている感じです。最初は短時間しかスーパーサイヤ人になれなくても、それを当たり前の、日常生活ができる状態まで持っていくという修行ですね。

Twitterをみていると「1日1枚」といって毎日描いているイラストレーターさんたちを見かけます。あれは宣伝の意味もあるけれど、描くことを維持し続ける意味もあります。一年で365枚。もちろん、それ以外にも描いているし、ラフやスケッチの枚数まで入れれば結果的に年間数千枚は描いているわけです。

そう考えると100枚って小さい数字でしょう?


ではこの「たくさん描く」に今度は技法やテクニックを加えて考えてみましょう。ほんの数ヶ月であっという間に上達しますよ。だって、「量」に加えて、「質」も修行に加わるわけですから。

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