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【初心者向け】楽しく技法を身につける!透明水彩のシンプル練習法[技]

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技法書を買った。絵の具も筆も買った。紙もある。後は描くだけだ。技法書を何度も読み返し、頭ではわかったつもりでもいざ描いてみると、目の前には謎の抽象画が絵の具の乾きを待っている…。どこで間違えたのか、何が悪かったのかサッパリわからない。

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これは透明水彩の初心者あるある…じゃないでしょうか。

そんなとき是非お試しいただきたい練習方法がこちら
小さな絵をたくさん描く」です。

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この絵はですね、「コーヒーカップ」で画像検索をして引っかかったオシャレコーヒーカップを片っ端から描いていったもの。各カップのサイズ2〜3cm四方で、このサイズだと1点あたり2分から5分くらいでで描けちゃいます。

この練習法で得られる効果や長所は…

(1)簡単ですぐに完成するから「描ける」という自信がつく
(2)カップによって描き方が変わるので、手順や技法を考える力がつく
(3)色々な色を使うから、各絵の具の性格を覚えられる
(4)細かい筆さばきを繰り返すので、絵筆に慣れる
(5)小さい絵なので、失敗しても描き直せばよい
(6)たくさん並べるとかわいいのでもっと描きたくなる
(7)疲れたらいつでも中断できるし、いつでも始められる
(8)使う絵の具が少なく、あまり水が汚れない

などなど、まだまだありますけれど、基本的には良いことづくしです。

ここまでで、すでに「やってみようかな」と思われるかたもいらっしゃると思いますが、なぜこれで上達するのか、もう少し説明をさせてください。

透明水彩は仕上がりのイメージが難しい

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透明水彩は「水加減」で絵を描きます。慣れた人ほど画面が「濡れた状態」でどんどん描き込みを進めて、絵の具の乾き方と、描き込みの水加減を見極めつつ、効率的に作業を進められるようになります。

初心者にとって一番難しいところは乾くと全く違うものになるところ。そこを作業中は乾いた後の色や表現の仕上がりを「イメージ」しながら描くわけですが、それができるようになるには、経験を重ねるしかありません。

経験を重ねる?????

はい、それこそが練習ですね。ここを乗り越えられると、透明水彩が一気に「身近」に感じられるようになります。

小さい絵をたくさん描く

ここでひとつお題を出しましょう。

コーヒーカップ01

このコーヒーカップを小さく、横から見た絵として描くとします。
どの順番、どの方法、どの色で描きますか?

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いざ質問されるとすぐには出てこないですよね。とりあえず、今回はターコイズブルー1色でどんな描き方ができるか考えてみました。
(A)は全体がだいたい同じ色でシルエット
(B)は陰をつけて立体感を出す
(C)濃い青から薄い青になっていくグラデーション

それらを描いてみるとこうなります。

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いかがでしょう?それぞれ描き方が違いますね。「どう描くか」というのは「仕上がり」と直結していて、その方法はひとつやふたつじゃありませんし、正解もありません。どんな絵にするかは描き手が自分で考えて、決めるのです。

もう一枚、いってみましょうか。
今度は複雑な色合いのコーヒーカップです。
どんな手順で、どう描きますか?

コーヒーカップ02

ポイントは、カップに複数の色がボーダー状に入っていて、それぞれの色が混ざらないように描いたり、複数の色を使っても形が崩れないようにすることかな…??なんてことを考えて描いてみると

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こんな感じでしょうかね。こうやって描いてみると、(A)の描き方の方が雰囲気をつかめているような気がします。ただ、このコーヒーカップ、こんなに鮮やかな色合いをしてませんし、色と色の間はもう少し滲んでいても良いかな〜なんて思ったので、(A)をベースにもう一枚描いてみました。

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はい。もう好みの世界ですね(笑)
これはこれで良しとしましょう。

いかがでしょう?
上の2つのお題だけでも、描こうとしている絵柄に対して、色んな描き方を考えることができる、それがわかります。小さい絵なので、何種類もかけるし、それぞれに何パターンでも練習を重ねることができるんですよ。

後半の実演動画(26分46秒)で具体的な透明水彩の技法や描き方を紹介します。お気づきでしょうか?この記事、ここまで描いておいてまだ「技法名」がひとつも出てきてないんですよ(笑)

[〜1:37]導入・道具紹介
[1:37〜]ターコイズブルーのコーヒーカップの描き方
[11:30〜]色の複雑なコーヒーカップの描き方
[21:03〜]画像検索で引っかかった和柄のカップを描いてみた

ではどうぞ!

解説動画「楽しく技法を身につける!透明水彩のシンプル練習法」

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