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「作画塾2」はじめます

作画塾、パートナー変更にともない「作画塾2」として再開します。

こちらが新スタッフの典嶂(てんしょう)です。

典嶂(てんしょう)

典嶂は「弟子」ではなく「制作アシスタント」で、デザインやウェブ制作も含めて一緒に仕事をしていただいてます。で、「絵も描きたい」とのことで作画指導を開始しました。詳細プロフィールはコチラからご覧ください。Twitterアカウントは @Tensho214 です。

作画塾2の方針

典嶂が「制作」の人間なので、「作画塾2」はプロ向けの指導方針で進めています。スタッフなので当然ですが、お客さま扱いもしなければ、おだてて頑張ってもらうこともなければ、尻叩きもしません。描くことはそもそも楽しいことですから、学ぶ方も教える方も対等に楽しめる内容を目指します。

このnoteでは、日々僕と典嶂がやりとりしている内容から、文章でまとめておきたいものを書いていきます。課題と評価のまとめ、技法紹介、考え方などを書きます。

リアルなやりとりをベースにしたnoteですから、絵でプロ(画家、イラストレーター)を目指している方には参考になることもあるでしょう。僕が教えている内容そのもの、というよりも、典嶂が「新しく気付く何か」に共感できると思います。

先人が偉そうに「この描き方が正しい」と主張するだけのコンテンツなんてつまらないですよね。特に絵は「正解の無い世界」でありつつ「自分で答えを見つけていく世界」でもあります。

作画塾2は「自分で答えを見つける」「表現の選択肢を持つ」「それらを言葉にしていく」そんなことをひたすらやっていきます。

差分稽古(さぶんけいこ)

当面、作画塾の軸となる稽古です。

差分稽古の一例、ひまわり

典嶂と僕が同じモチーフで絵を描き、それぞれにお互いの絵の「差分」を言語化します。詳細は別記事で書きますが、実際にやってみたところかなり面白いです。

視覚表現の言語化は、絵描きの中では苦手な方も多いです。一方制作の現場では、企画や提案時に言語化は必須です。作る前に言葉にできていることで、ビジュアルに予算を持たせることもあるわけで、仕事で絵を描くならば、言語化は必須スキルと言っても良いでしょう。「差分稽古」はただ比較するだけでなく、言語化ありきであるところが特徴です。

たまたまですが、典嶂は制作のバックグラウンドをもつ人間だったので、これが実現しました。一般的な絵画教室ではできないことですし、指導者側も楽しめる修練でもあります。

作画塾でやりたいこと

先月のことになりますが、弟子が辞めまして。当初の予定では典嶂を含めて「弟子2人」の門下生で何か面白いことをしようか…などと考えていたんですけれど、なかなか上手くいかないものです。

作画塾は僕が本気で絵を教える場であり、本気で絵を学ぶ場でもあります。独りで絵を描かなない環境でもあるし、考えていることを誰かに発表する場でもありますし、新しい何かを受け取る場でもあります。インプットとアウトプットがあり、描く事が僕ひとりの狭い世界でぐるぐる回るだけに収まらないようにする。同様に、作画塾の仲間もそんな人達が集まるといいな、と考えています。きっと面白い。

絵のことばかり考えていて、どうすればもっと面白い絵が描けるのか、とストイックにそれを楽しむ人達との交流。できないかなぁ。絵は原則1人で描くものだから、どうしても嫉妬したりなんだりと、絵描き同士は一定以上の距離が縮まらないんですよね。

じゃあ、SNSがあるじゃないか、という考えもありますが、多くの場合、画家が考えていることなど独り言以上の価値を持ちません。作品こそが画家の持つ最も強いメディアだから当然です。でも、僕は作品だけでなく「描く事そのもの」にも興味が尽きず、どうしてもそれを誰かと共有したいのです。でも、それが意外と難しい。

プロの作家同士の場合、どこまでいっても競合同業者という考えがついてまわります。「描く事」よりも「仕事」としての振る舞いや活動の話の方が盛り上がりますし、逆に「一切仕事の話をしない」のどちらかになります。だから描き方の話はあまり膨らまない。そもそも、お互いそれで仕事が成立しているわけだから、描き方の良し悪しなど口出し無用なわけです。すると、少しばかり場の世界を小さくする必要があるんだろうな、というのが今の僕の結論。内輪の仲間と一緒に成長していくってのが、作画塾実現には必要なんじゃないか、と。

作画塾は、いつか「描く事」について延々と話ができる研究室のようなものにしたい。それもそのうち変化していくかもしれませんが、それはそれで良いのです。まずは1人、典嶂が今のパートナーです。僕たちの活動を見守っていただければ幸いです。

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