君が思い出になる前に

初めてNoteを書かせていただきます。みかんバーグです。野球やサッカーを観戦したり、艦これやウマ娘をしたり、戦国時代好きだったり、小説も書いていたり、未解決事件について文章を書いていたりします。マルチタスクなんか出来ないのにあちこち触っている人間です。現在、私が応援している野球チームはKBOのKTウィズというチームです。応援したきっかけは弱いチームの強くなっていく過程が好きだったことが私にとって大きな事でした。最初に応援した千葉ロッテマリーンズもワシントン・ナショナルズもカンザスシティ・ロイヤルズも弱いところに惹かれ、そして優勝を果たしています。KTウィズもその漏れなく2021年にKBO優勝を果たしています。だが私にとってはこの試合が始まりに過ぎなかったのです。

 この時期、私は大学3回生でありコロナウイルスの混乱があった為、単位の消化も卒業論文が進んでおらず、4回以降の在籍は確定していました。そんな中でKTの優勝を祝ってくれた人間達と祝いあっていましたが、他チームとのファンを兼任している人も多く、TwitterでKTウィズをメインに応援していたのは私ともう一人Dさんの二人でした。私のKTウィズの応援は大半をDさんと話し合いで盛り上がっていました。
 しかし、Dさんは優勝する前の夏頃から試合を見ることが出来ない深夜でのつぶやきが多くなっていきました。私はその傾向に不安を抱きましたが、大学の卒業論文が押し迫っていたため卒論へと心が向いていました。そして、この翌年の夏に私へのリプライを最後にして完全に彼は投稿が無くなりました。そして、そのリプライは午前3時という夜深い時間でした。
 この事態を真に憂慮すべきである事に気付いたのは、更に翌年2023年の春になり、DさんのTwitterアカウントが消えた時でした。正確に言うならば、アカウントが乗っ取られた末に通報に凍結されてしまった事でした。今までインターネットで足跡を残していた人間がひっそりと消えてしまったのです。私は驚き、何があったのかを調べました。かつて私はとあることでWordの添削をDさんにしてもらっていたので、そのWordファイルを調べることでDさんのWindowsアカウントを知ることが出来、メールアドレスが分かることに気付いたのです。しかし、調べたところアカウントが無くなっていました。
 私は地方公務員という彼の職業を知っていました。地方公務員であると仕事上に必要になる自分のWindowsアカウントを消すことは考えにくい。自分で消したにしても、他の誰かが消したとしても全くポジティブな状況とは思えない。私は、唯一の仲間を失ったのである。
 アカウント消去なら私は受け入れたのかもしれない。自分でファンを辞めるなら恨み言を言ったかもしれない。パソコンのデータを全て消さざるを得ない事態、私はその事に頭を悩ませて行く。
 ―彼と私が会った日を私は思い出させずにいる。もう少し自分の話をしてくれればよかったんだけどな。後悔は先に立たず。彼を知る手がかりはほんの僅かなものでしか無かった(個人情報として一応伏せておきます)。
 ある人が自分のこの状況を「執着」と呼んだ。そうであろう。自分の人生の中で一番になったKTウィズ。この時精神を病んでいた自分が出会ったものであり、自分をやり直すきっかけとなったチームである。KTウィズの応援と歩みを同じ様に歩き始めた自分にとって、同じ事を親しんで話せたDさんはかけがえの無い人であったのだ。会って今までの事への感謝を伝えたい。一緒にKTの観戦に行きたい。言えなかったこと、言いたかったことはまだまだ沢山ある。
 自分はKTウィズを追い続けるであろう。日本ではほとんど知ることのない、KBOの新規参加球団KTウィズ。私は勝手に日本支部と名乗っている。そんな私の忘れがたい仲間との思い出の話である。

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