サッカービジネスの節目

こんばんは。ブンデスリーガが再開日を決めたり、Kリーグが無観客試合を行ったり、少しだけ再開に向けた動きを感じるようになってきました。ただ日本におけるサッカービジネスは今年で大きく変わっていくのではないかと考えています。

特に日本のJリーグは海外クラブの収益構造と異なり、放映権料が占める割合と絶対的な金額が大きくなく、クラブ自らが稼ぐ力を求められています。そして稼ぐポイントであるのは大きく3つあり、広告料収入・入場料収入・物販収入になります。その中でも広告料収入が50%以上の割合を占めます。

つまりJクラブの売上の大半が広告料収入に依存していることがわかります。なぜここで依存という言葉を使ったということには意味があり、この広告料収入というのは、その企業の業績に大きく相関しているということがります。乱暴に言うならば、景気が悪いと企業が広告宣伝費をカットして、自前のビジネスに資金を集中させます。

題名にあるサッカービジネスの節目と書いたことにつながりますが、新型コロナウイルスの影響はサッカー界だけではなく、世界的な経済へのはかりしれないダメージと不透明な先行きを残すことになります。そんな中で効果が説明できない広告宣伝費にコストを計上するでしょうか。付き合いというしがらみで維持するのには、厳しいマクロ環境が待ち構えています。

なので、この節目を経て、注目されるのは2つポイントがあると思います。

一つ目は、パートナー企業の売上をリアルに上げるようなアクティベーションに関わること。クラブに100万円協賛してくれる企業がいたとして、その企業の売上が200万円上がるであろうプランを練る、そして実行するということが求められます。地域貢献・多くの人の目に触れるといった抽象的な理由では強く引っ張ってこれない、もしくはパートナー企業の担当者が上司を説得できないという状況が待っているでしょう。

そして2つ目は、自前で収益を上げる体制を整える。ふつうの状況であれば、入場料収入・物販収入がこれの項目に該当するので、この2つを強化することがクラブの最優先課題ではなかろうか。しかしこの新型コロナウイルスの影響により、無観客試合での再開が濃厚であれば、ここはなかなか期待できません。つまり新規ビジネスを立ち上げていくことが求められているのではないでしょうか。Jリーグのフォーマットで収入を上げる項目があるから、それ以外を検討していかないのは、ある意味ビジネスを放棄しているのに近いのではないでしょうか。

起業した時のビジネスのみをやることにこだわることは、ある意味手段にこだわりすぎるあまり、本来の目的やビジョンを失いつつあることを表しているかもしれません。

ということを突き詰めると、言い過ぎるところまで言ってしまうとサッカーというものすら手段ということに行きつきそうな気がします。僕らの例でいうと、「沖縄を愛し、沖縄に愛される」という理念を掲げ、沖縄のシンボルになることを目指しています。これらの想いをもったクラブに突き動かされた選手・スタッフそしてファンサポーターが集まり、熱狂が生まれるのではないでしょうか。

こんな時だからこそ、理念に立ち返り、ここにある意味を考え続けた時に見えてくる世界は広いと思っています。こうでなければならないというこだわり・手段を捨てるいい機会だと思っています。

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