スポーツ界へ来るということ

他の業界からスポーツ界へ来ることはけっこうハードルが高い。自分自身踏ん切りをつけて、決めるまでに1年以上の時間をかけたところでもある。

業界を超えてスポーツ界へ行くことに対しての不安は大きく、前例のないケースが多い。ただスポーツ界で働く人の話を聞けるチャンスは意外とあったりする。そして次に直面するのは、門戸が開かれていないので、どう就職していいかわからない。

新卒で入社して、どういう風にキャリアアップしていくのか、ライフスタイルが年を重ねていくごとに変わっていくのか、実際のところ全く分からない。僕は今もよくわかっていない。新卒ではいって、ふんばって、会社に骨をうずめた人で社長までなった人はいるのでしょうか。

そして門戸を開いていない問うことについては、どうやって就職していいかわからないということがある。おそらく広い選択肢の一つから興味をもって、この業界に来るという人は少なく、何とかコネを作ったり、紹介ではいってくるケースがほとんどのような気がします。この辺もおそらくキャリアアップが見えてこない要因なのかもしれません。

もう一つのハードルは収入面。クラブによっても、役割によってもたぶん全く違うんだろうなということしかわからない。同じ業界で、同じくらいの年齢だと、そこまでの差はおそらく一般社会ではないと思う。スポーツ界では、特に稼ぐことに対してのアレルギー反応が強く、どっちかというとボランティア精神が評価されるような風潮すらある。

結論、収入面は、現状かなり厳しい。

でも僕が思ったのは、選手と同じくらいの水準をもらうフロントスタッフがいてもいいのではないかという発想は自分自身あります。

そのためにクラブに対してどう収益をあげて貢献するのかというイメージができるかどうか。夢の仕事といわれるものが、好きなことをできているが、収入はかつかつ。好きなことなんだから、良しとしよう。これは夢の仕事ではない。

そのためにも自分の仕事に対して、誇りを持つために、その仕事は慈善事業なのか、ビジネスなのかという判断を自分でできるようにならないといけない。

Jリーグのホームタウン活動は本当に素晴らしい理念に基づく活動です。しかしこの活動は慈善事業なのでしょうか?慈善事業としてならば、収益をあげなければいけない会社にとって優先順位はかなり低いものになります。

つまり本当にクラブのため、地域のためにとやっているこの活動の優先順位を下げざるを得ません。しかしホームタウン活動をしっかりしたビジネスにつなげるという気概と思いがあれば、この活動を通して広がる世界をイメージすることができれば、この活動の優先順位は必然的に上がります。シャレンの活動はそのイメージに助けをくれる、面白い取り組みです。

これによって担当者も胸をはって、会社のため、地域のため、クラブのためにこのホームタウン活動に取り組むことができます。この想像力を養うことがフロントスタッフには求められています。

自分自身が「好きなことをやっているから、収入が少なくてもいい」というのは一つの言い訳です。

フロントスタッフを夢見る子はいますか?僕はあったことがありません。地域のために、クラブのために汗水たらして、人生をかけれる素晴らしい仕事です。僕の使命はこの仕事を夢の仕事にすることです。そのためにも今ある常識、今の流れに立ち向かう必要があると思っています。

2019年は、「なりたい職業ランキング」でサッカー選手が2年ぶりに首位を奪還したそうです。ここに「サッカークラブのフロントスタッフ」が入ってくるためには、僕らができることはまだまだあるはずです。

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