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結婚ってなんだろうね の つづき

イギリス・ケント州の小さな町で撮りました。
かつてイングランド軍とノルウェー軍が大きな戦いをした町の夕暮れ。

同居を始める前から彼はよく「結婚しようよ、今すぐじゃなくてだけど」と言ってた。それがプロポーズだったことに、わたしはあまり気づいていなかった。
ひとり暮らしが長く、正直自分の生活を変えたいとはあまり思っていなかった。お金はまあまあある、仕事もやりがいはある。友達もたくさんではないがいる。家も中古マンションを自分好みにリフォームして気に入っている。だから、彼に家に引っ越して来てもらった。

彼は本当にまめで、料理も洗濯も掃除もほぼやってくれる。毎日大好きだと言ってくれて、抱きしめてくれる。こんなに愛してくれる人にはじめて出会った。
でも、わたしの家が嫌い、わたしの町が嫌いだといつも言う。わたしのために、ここにいるだけ、そう言う。それを聞くと自分を否定されているようで、本当に悲しくなった。
健康だった彼の顔に吹き出物が増え、たびたび体調を崩す。ちょっとしたことで不機嫌になり、大きな声をだす。

わたしと暮らせるならどんな仕事でもいい、と言ってたはずなのに。こんなに怒ってばかり、文句ばかりの人だったなんて。
でも、彼は努めて明るく振る舞っている。仕事もなかなか見つからず、やっと見つけた仕事も楽しくないと言うが、無遅刻無欠席で真面目に働いている。
彼を幸せにしたい、わたしの願いはそれだけ。
そのためにできることはなんだろう、と探りはじめた。

長くなってきたので、今日はこのへんで。
まだもう少し続きます


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