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南仏のロシア人


南仏コートダジュールに集うロシア&東欧女性達。冷戦終結後のロシア経済崩壊で、南仏に出稼ぎ&裕福な男性探しに来たと思っていたけれども、これはある意味伝統的なことだった。

元から南仏は、特にロシア貴族とイギリス貴族が避寒地として好んで暮らした街。そのためニースには文化的影響を受けたさまざまな建造物が残り、ベルエポック(古きよき時代)の空気を今に伝えている。海沿いのプロムナードデザングレ(「イギリス人の遊歩道」と呼ばれる海岸沿いの散歩道)、ロシア正教会、旧市街エリアなどの文化遺産があるほど。いずれにせよ、ヨーロッパ人からしたら、人種の違うアジア人よりも、自分達に近い存在として親しみを感じるに違いない。
裕福な男性を捕まえに来てる彼女達にとっては、私は歓迎せざる侵入者だった。
有望な候補者だった男性を、どこかからかいきなり来て、奪っていったのだから。
彼女達は、私を攻撃し始めた。曰く、パリのフランス人の男性と来たのに、相手を変えるのはおかしい。彼は、別荘のオーナーの古くからの友人のはず。失礼なことをして、許されるべきじゃない‼️と。

たとえ、すでに付き合いが長いカップルだって、旅先で違う人と出会ってしまうことはある。
ましてや、今回の場合、付き合いはまだほとんどなく、相手の嘘だらけなことが判明し、全く信用できなくなってしまったところだった。それに、フランス語のほとんどできない彼を放っておいたのは、皆さんの方!何を言われたって、火がついたものは消せないし、イギリス英語🇬🇧の者同士。私達の絆を壊すことは、できなかった。サントロペ、ニース、カンヌ、モナコ。みんなの集まるパーティーにもどんどん彼は、私を連れていった。恋は人を若返らせる。彼も生き生きとし、新しいスーツを買ったりした。

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