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やっぱり生が一番!

どもっ!蕎麦屋の皮を被った海鮮屋のmikamanです。

タイトルは大川食品のパン粉の袋に書いてある言葉です(笑

今日も朝4時半に市場に行って仕入れしてきました。
朝早く行く理由はたった一つ。
「良いものを安く買いたいから。」
これが5時半とかになると良くて安いものはもうない。

現在、うちの店では「鮮魚の天ぷらの美味しさを知ってもらうキャンペーン」を内心で勝手にやっています。
毎日生の魚を天ぷらにして提供することで、お客さんに魚の美味しさを再認識してもらおう。
そして、子ども達に「お?魚ってうめぇじゃん!」
って思ってもらいたくて。

この日の天丼は全部生の魚を使っています。かます、むつ、コウイカですね。

現在流通している揚げ物用の魚はほぼ冷凍

日頃、皆さんが外食で食べているフライや天丼、煮魚なんかの魚は基本冷凍です。
伊豆で金目鯛煮つけ食べてもほぼ冷凍です。
(過去に1度だけ生を煮たものが出てきたことがあって驚いた)
キスの天ぷらも外国産の冷凍。
牡蠣フライも高いの以外は冷凍。
海老は言うまでもありませんね。

生の金目を煮ると、このように赤が綺麗に出ます。冷凍は少しオレンジっぽくなります。

スーパーに並んでいる魚も生は少ないですね。
だって売れないですから。
アジ、真鯛、金目鯛、ぶりの類、サバ、たら、夏は鮪も。
このくらいじゃないですかね。
売れるのは冷凍のチリ産鮭切り身、アジの開き、塩さば、
さばみりん。
この辺じゃないですかね。
全部外国産の冷凍品です。

私は当然このようなものが口に入ってくることが殆ど無いので気づきませんでしたが(すみませんでした)、これでは生の魚の加工品を口にする機会が無いじゃないか!!!!

「生は美味しい!」

を知ってもらいたい。
秋刀魚が美味しいのは生を焼くから。
(たまに冷凍焼いたの出てくると泣きたくなる)
そう!生は美味しいのだ!!

ここから私の啓発活動がスタートしました。
とにかく生の天ぷらを食べてもらおう!!
高い魚売っても、お客さんは食べてくれないから、鮮度良くて美味しくて安い魚を市場でとにかく探します。
そういう魚はほぼ「小さい」んですよ・・・・
小さくても大きくてもかかる手間は同じという・・・・
でもやる!
美味しさの伝道師になるためにやる!

小さくても美味しいむつ子ちゃん
大きいと高いけど小さいと安いイトヨリちゃん(100本くらいあった)
安いけど面倒でロスも多く足も早いソウダガツオ

手間を惜しまず売り続けていくうちに、お客さんから
「めっちゃふわふわで美味しい!」
「これ凄いね!笑っちゃうよ!」

などと嬉しいお言葉をかけてもらえるように。
嬉しかったのが、魚の加工品会社の社長さんに
「これってなんでこんなに美味しいんですか?」
って聞かれたこと。

干物も生と冷凍では全く味が違います。

今、生の魚っていうと飲食店でお刺身くらいしかないんじゃないかな。
下手したらその刺身も冷凍だったりして。
もちろん小田原の大原さんや沼津のにし与さんのように、生のアジフライを売りにしているお店もあります。
生だから行列になっちゃう。
うちの店のアジフライももちろん生の刺身用を使用。
みんな美味しいの知っているからめちゃめちゃ売れる。

干物なんかもそう。
今は生を使った干物なんてないから、生を使って干したその日に売ると
お客さん美味しくてびっくりしている。
作った甲斐あって嬉しいよね。

アジだけじゃなく、色々な魚の生の美味しさをしってもらいたい!
職人になって30年、やっとお客さんに自信を持って美味しいものを伝えられるようになりました。
勝手にはじめた啓発活動はまだまだ続く・・・・・


※冷凍品は生より味が落ちるだけで、良いところも沢山あります。
全国各地の名産品が食べられるのは冷凍技術のおかげ。
いつまでも鮪の鮮度が落ちないのは-60度の冷凍庫のおかげ。
フードロスが減ったのも冷凍保存が出来るから。
「おかげ」と「せい」ですね。



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