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まさかラップのビデオでヤン・シュワンクマイエルに出会うとは。

ラップの動画見るのがやめられない止まらない。サウィーティー&ドージャキャットの「Best Friend」(フェミニスト宣言!)とか、ミーガン、ドージャ、アリアナの「34+35」とか(歌詞がエロ可愛いわー)。どーですかこの面白さ。副作用で、フランスのコンテンポラリーダンス見ると「はあ?」(あのー、起きてます?)と思わず突っこんでまう。

YouTubeをうろうろしてたら、たまたま見かけたアート系のラッパー、ティエラ・ワック。思わず二度見三度見しましたがな。なんでって、これヤン・シュワンクマイエルですがな。ラップとシュワ爺! 蝙蝠傘とミシンかい!

ティエラ・ワックが向かうのは、手術台ではなくまな板。じゃがいもの山の側で、黙々と料理をするなんですが、じゃがいもの山といえば「地下室の怪」「アリス」。イモが潰れてドロっと液状になるところは「対話の可能性」とかヤン爺お得意のグロ粘土系の短編映画。ダイニングでじゃがいも料理を待っているのは、じゃがいものモンスター。舌がベロンベロン、枯れ枝のような手がシュルシュル出てくるところは、まんま「オテサーネク」であります。そしてラスト、油の中でフライドポテトがジュージュー揚がってるいやに不気味な場面は「ルナシー」のラストシーンと雰囲気酷似。

だいぶ昔、プラハでシュワ爺にインタビューしたことがあるのですが(大自慢)、「シュルレアリズムは美術史上の過去のムーブメントじゃない。自分はずっとシュルレアリスト。アートは自己顕示のための「ネタ」じゃない!」とお言葉をいただいた。これは自分の中でずっと生きているご神託で、アートのためにアートをやってる、作品をイズムで見る人には近づくまいと今でも思っている。

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