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○ かぎっこだった話


 職場の方は小さなお子さんがいる方が多く、学校から子どもが帰宅する頃には小さな子を一人にしないようお母さんが在宅しているように見える、素敵だな安心だなと思う。

 
 自分のことを振り返ると、小学1、2年生の時体操服に着替える時に首から鍵がぶら下がっていた気がする。他の子でもそういう子がいると同じだなと思った。


 母はフルタイムの勤め人ではなかったが、多忙で帰宅するといない事が多かった。本当に仕方のない事だったと思う。不在と在宅の割合を上手く思い出せない。


 誰もいないがらんとした家、おやつとノートに残されたメッセージ。かさかさと心が乾燥したように思う。さみしいと感じる前に、ただそれが当たり前だった。学童クラブにも入っていなくて、お夕飯を作る頃に母が帰宅するまで姉や友だちと、又は一人で過ごした。


 時折母がいて、掃除をしたり新聞を読んでいて、あたたかいココアやチャイをいれてくれた、いてくれると安心だった。
 不在の方が多かったせいか、学校であった事を報告する、という習慣は育たず時折聞かれても、何を答えたらよいのかわからなかった。


 大人になって冷静に思うと、相当さみしかっただろう、心がかさかさしていただろうと思う。当たり前すぎて分からなかった。もう大丈夫だよ ☆☆☆

 
 

 

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