おやゆびこゆびのおはなし


おやゆびとこゆび

おんなじ手のなかで

おやゆびこゆび

こゆびは おやゆびにあこがれてた
あんなふうにたくましく 存在感を発揮したかった
みんなとは違う角度から 体を曲げてみたかった

おやゆびは こゆびにあこがれてた
あんなふうにかわいらしく ピンキーリングをはめてみたかった
小さな爪に ピンクのマニュキアを光らせてみたかった

ふたりは互いをうらやましがって、
それぞれ自分のほうが だめだと
時々かなしい気持ちでうなだれていたんだ

それでも2人は同じ手のなか

2人が協力し合えば、ブイサインだって作れる
パソコンのキーも早くたたける 
2人が喧嘩していては、ものごとがすすまないんだ。

だからふたりは話し合った
もっと色んなことがしたい
知らない景色を見てみたいよ
少しずつ、お互いをさすりあい、なであった

それぞれの素晴らしさは、いくつかの言葉で語りつくせるものじゃない
時間がいくらあってもたりないよ。

おやゆびは言った、
ぼくは君のために、時々歌をうたうよ
ここからでもきっときこえるはずさ 

こゆびは言った、
わたし、ダンスを踊るわ
あなたのところからも きっと見えるはずよ
わたしが踊ると、くすりゆびさんも踊らなくてはいけないけれど

そんな風に ふたりは
思うまま、ありのままを
表現しあったんだ

ことばにとらわれず、自由なやり方で
誰も知らない方法で 伝え合うことにした

そうしたら
 とても楽になった
   ことばだけじゃないって わかったから
 なんでもよかった、 なんでもよかったんだ

ぼくたちは
 お互いをくらべることが無意味なほど
  それぞれが素晴らしい
   それぞれが宇宙を構成してる

おなじ手のなかで
おなじ手のなかで

☆お読み頂き本当にありがとうございます!とてもうれしいです (〃^ー^〃) ☆💕💕💕