見出し画像

○ 先生のこと

 
 幼い頃、絵やアートを習っていた先生が数年前にご病気で亡くなった。
 亡くなる少し前に、先生が所用で実家を訪ね、私は気まぐれに描いた水彩の牡丹を見せる事ができた。『 あの頃と同じ感じだね 』と言っていた。先生以外に絵を習ったこともなかったから画風も拙いまま変わらなかったのだろう。


 私の小さい頃のゆめは『 絵描きさんになること 』、恥ずかしくて人に言えず、卒園アルバムにもかけなかった。
 きょうだいの中で私だけその教室へ通っていた。『まんが道』の影響で、電車の中の人を写生して両親にみせたりした。
 先生はモディリアーニや、ダリが好き、色々見せてくれた。教室を離れる時には『みかこちゃんに合うと思う』と、レオナルドダ・ヴィンチの画集をくれた。


 『 芸術家は大変だよ、創作と生活との狭間で常に葛藤がある、おらたちは凡人で良かった 』というような事を家族が言った。先生のお通夜の帰りに。飾られた先生の石膏、彫刻はとても繊細なものだった。


 先生は今の私の年頃に、世界堂で画材をたくさん買ってきて、小さい子にアートを教えてくれた。赤ちゃんを産んで忙しいなかで。
 アトリエの匂い、おがくず、絵具まみれの両手。絵を描いた後にお茶を飲んでみんなで観ること、大人っぽくてドキドキしました。先生へ感謝をこめて ○○○

 
 

 

☆お読み頂き本当にありがとうございます!とてもうれしいです (〃^ー^〃) ☆💕💕💕