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○美学校見学のはなし

ー映画館 ポレポレ東中野の入口で、映画のチラシを物色するのが好きだ。

薄暗い階段沿いの、小さな空間に、所狭しとチラシが並べられている。ひとりであの場所にいると、ほっとする。

 その中に、異彩を放つ美学校のチラシを見つけた。神保町にある、アートから写真、音楽まで学べる小さな学校みたいだ。 

 ぜひ一度見てみたいと思った。

その頃わたしは、拠り所となるような、所属できる場所を探していた。

 カラフルなお習字や、書道と絵を融合させた掛け軸や、屏風のようなものを作りたいというイメージをめぐらせていた(いつもイメージが先走りがちだ)。美学校に書道のコースはないが、様々なアートのコースがあるようだった。

 神保町の駅から少し歩くと、ビルの中のワンフロアに、その学校はあった。入口には、不要品交換の棚があり、廊下にはたくさんのチラシ、告知、雑誌、本が並ぶ。部屋の中へ入ると、様々な制作のための道具、作りかけの作品などが、棚の中にぎっしりと入っている。

 とてもたくさんの物に囲まれながら、なんだか妙に落ち着くのだ。

ーまさに、アトリエ、たしかに何かが生まれそうだ、いや生まれているのだ。これは、小学校の図工室、学生時代所属していた演劇部の「部室」をほうふつさせる。様々な人を受け入れる懐の広さも感じた。

 自分は通うことにあまり向いていないと感じ、入学はしなかった。

美術系の学校に通ったことがないため、いつまでも憧れがある。

 きっとこれからも持ち続けるだろう。

  

 

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