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☆ 懐かしいこと、小さい頃




 ーそうだった、私が小学生の頃、前掛けをした馴染みの酒屋さんが、父の晩酌用の瓶ビールを届けに来ていた。
 飲み終わったビールケースを玄関に置いておくと、いつの間にか酒屋さんが取りに来てくれる。


 保険屋のお姉さん、置き薬のおじさん、いつも同じ人が来ているように見えた。玄関をあけるとそこにいて、母と談笑しながら、小さかった私に優しくしてくれた。
 

 時間が流れて、景気が変化し、それらの人たちは来なくなった。父の晩酌の瓶ビールが、缶ビールになり、発泡酒や焼酎に変わるほどの時間が流れた。


 最近、ふとした時に小さい自分が顔を出す。何も疑わずにみつめていた頃の。そんなちいさな子が、誰のなかにもいるんだろう ☆☆☆
 

 
 

 


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